過ごし方は如何様にも。訪れた人次第の思索空間
大拙について知り、彼の思想を学び、自ら考える-その最後の要素を司っているのが水鏡の庭に突きだした思索空間。白い箱型の建物内部には畳でできた長椅子が整然と並んでいるだけのシンプルな作りで、そこでどのように過ごすかは訪れた人の自由。ただ座って庭を眺めたり、開放された入り口から漏れ聞こてくえる自然の音にぼんやり耳を傾けたり。鈴木大拙館は緑の文化ゾーンを形成する本多の森公園の一角にあるので、街中とは思えないくらい騒音や雑音とは無縁。心置きなく思索に耽ることができます。
禅や哲学と聞くと何だか小難しそうと反射的に敬遠しがちですが、気負う必要はありません。秀逸な建築美に感嘆し、稀有な庭に浸る。それだけでいいんです。ぜひ気軽に訪れてみてくださいね。
■鈴木大拙館
住所:〒920-0964 金沢市本多町3-4-20
TEL:076-221-8011
開館時間:9:30~17:00
閉館日:月曜日(休日の場合は翌平日)、12月29日~1月3日
観覧料:300円
文化の薫り高い、まちなかの緑のオアシス「本多の森公園」
鈴木大拙館で心身ともに癒されたあとはその余韻を楽しむためにも、建物の裏から石川県立美術館といしかわ赤レンガミュージアム(石川県立歴史博物館)の間に抜け、兼六園へと繋がる本多の森公園内に整備された散策路(緑の小径&美術の小径)がおすすめです。周辺一帯には歴史的遺産や文化施設が点在し、合わせて訪れてもいいでしょう。中でも鈴木大拙館と兼六園のちょうど中間にある金沢の旧家中村家収集の茶道具を中心に近世絵画、古九谷、中国陶磁、金沢の伝統工芸品が展示所蔵されている金沢市立中村記念美術館は「山椒は小粒でもぴりりと辛い」穴場のスポット。
ほとんどメディアに取り上げられることのない知る人ぞ知る美術館ですが、鈴木大拙館同様、評価が高い美術館の1つです。特に茶道に興味がある人やお茶を嗜んでいる人にはぴったり。たくさんの茶道具を一堂に鑑賞することができます。
■金沢市立中村記念美術館
住所:〒920-0964 金沢市本多町3-2-29
TEL:076-221-0751
開館時間:9:30~17:00
閉館日:12月29日~1月3日、展示替え期間
※設備改修工事のため、2017年11月29日(水)~2018年3月2日(金)の期間は休館となります。
観覧料:300円