すでにBSプレミアムで7月20日に2時間版を放送。さらに10月1日から同じくBSプレミアム木曜21時から1時間×全4話の完全版を放送します。
主演は飄々として枯れた雰囲気のリリー・フランキー。サバイバル生活とギャップがあるようで、孤独ゆえに人とのふれあいを求める優しさを漂わせています。
青年期を演じるのは中村蒼。これまでは悩める青年キャラが多かったのですが、今回はイノシシの毛皮でつくった上着を身につけるワイルドな男で、こちらもかなりの意外性を見せています。
なかなかブレイクしない
その中村蒼。2005年、中学三年の時にジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞。2009年のNHK放送の学園ミステリー『Q.E.D. 証明終了』で連ドラ初主演。最近では2014年にテレビ東京系『なぞの転校生』で再び連ドラ主演。同じく2014年の主演作、中京テレビ制作の『マザーズ』は文化庁芸術祭テレビドラマ部門優秀賞、民間放送連盟賞のテレビドラマ部門最優秀賞受賞と評価された作品にも主演。
今年は『洞窟おじさん』の他にBSプレミアム『本棚食堂』で主演、木曜時代劇『かぶき者 慶次』で前田慶次の長男で準主役的存在、とNHKドラマを中心に活躍しています。ただ一般的にブレイクしたというにはいま一歩足りません。
10月からはワイルドな『洞窟おじさん』に、フジ系水曜22時の『無痛~診える眼~』では無痛症で無毛症な患者を演じるため髪と眉毛を剃り上げるキャラを演じ、これまでとは違う中村蒼。ブレイクなるでしょうか。
ネクストブレイクと呼ばれて
ブレイクが期待されながらなかなかブレイクしなかったといえば斎藤工。2014年に「ネクストブレイクと呼ばれて13年」とみずからネタにしています。2001年俳優デビューなのでデビュー翌年からなんですね。連ドラ初主演は2008年の時代劇『オトコマエ!』。2011年にはテレビ東京系『最上の命医』でも連ドラ主演しています。ブレイクしたのは2014年の『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』のヒットで。今年は『医師たちの恋愛事情』に主演しています。
この夏の連ドラはなかなかブレイクしない俳優の活躍が目立ったのでまとめてみます。
ただ取り上げて、「すでにブレイクしている」と俳優サイドやファンからクレームがくるといけないので、ここでの「ブレイクしない」について定義しておきましょう。
斎藤工の例をベースに「若手俳優がNHKやBS、テレビ東京や深夜ドラマなど視聴率をあまり問われない連ドラの主役を経験してから、5年たっても民放地上波プライムタイムのドラマを中心とした視聴率を問われる連ドラの主役に到達していない」ということにします。
完全ブレイク
窪田正孝は2006年の深夜ドラマ『チェケラッチョ!! in TOKYO』で初主演。2008年にテレビ東京『ケータイ捜査官7』、2009年に時代劇『浪花の華~緒方洪庵事件帳~』にそれぞれ主演。2014年の『花子とアン』『Nのために』で評価を高めて『デスノート』で民放プライムタイム連ドラ初主演。『デスノート』がヒットし、完全にブレイクしたといっていいでしょう。
本人が「ターニングポイントだった」といっているのは『ケータイ捜査官7』。製作総指揮の三池崇史監督に鍛えられ、芝居の面白さを深く感じられた「役者としての原点」だそうです。
ガイドがポイントとなったと思うのは2012年の大河ドラマ『平清盛』での平清盛の嫡男・平重盛役。清盛との関係、平家の棟梁としての苦悩がほとばしる演技を見せてくれました。ここからその後の作品につながっていったんじゃないかと思います。
次は「持ち味でブレイク」