秋の花咲く北鎌倉へ
北鎌倉の東慶寺や円覚寺は、どの季節に訪れても落ち着いた境内のたたずまいや四季折々の花々に出会え、心和むお寺です。今回は特に、リンドウの花や山野草の花々に出会える、秋の花散歩の様子をご紹介しましょう。円覚寺~荘厳なたたずまいの門をくぐって
JR北鎌倉駅から出発しましょう。まずは下りホーム側の改札口から徒歩2分ほどの円覚寺へ。モミジの差しかかる石段を登ります。12月上旬ごろの紅葉が楽しみなところ。拝観料を払って、境内に入りましょう。禅宗様式の、壮麗な山門に迎えられます。夏目漱石の小説、「門」の舞台となったところ。心清らかに、門をくぐって。
ご本尊のお釈迦さまにお参りしましょう。冠を被っているので、宝冠(ほうかん)釈迦如来とよばれます。天井には、前田青邨画伯監修の龍の絵が。12月初旬には、仏殿横のモミジの紅葉が燃え立つよう。
松嶺院~かわいらしい山野草の花々に出会う
仏殿でお参りが済んだら、向かって左手へ。春と秋の公開期間中なら、ぜひ松嶺院(しょうれいいん)にうかがいましょう。4月下旬~5月ごろにはボタンの花、秋には山野草の花々と出会うことができます。秋の山野草の時期は、さまざまな可愛らしい野草たちが花や実をつける時期。せんなりがきという3センチくらいの小さなカキや薄紫のシオンの花など、心が和みます。
ここは建長寺150世のご住職・叔悦禅懌(しゅくえつぜんえき) の魂をまつる塔所(たっしょ)。花々を愛でながら、階段を登りましょう。やがて、見晴らしのいい高台に出ます。墓地には、作家の開高健氏や、昭和の大女優・田中絹代さんのお墓があります。