子どもの夜遊び、家出、外泊…大人はどうすればいいのか
子どもの夜遊びは「思春期の冒険」か?
中1の少年と少女は、京阪寝屋川市駅という、大阪の中でもありふれた私鉄駅前のターミナルから軽自動車に乗せられ、連れ去られました。少女は家族との関係に悩んで以前から家出と外泊を繰り返しており、少年はそれに付き合う形で駅前で夜を明かすことも多かったと報道されています。その結果として、容疑者となんらかの接触が生まれ、車に乗った二人。
あの夜、駅前で夜を明かすようなことがなければ……。夜遊びに出かける子どもに親はどう接するべきで、同じ世代の子を持つ親たちはどんな取り組みができるのでしょうか。
大人が必死で止めても、家を抜け出す子どもたちもいる
とにかく家庭に帰りたくない子どももいる
「その結果を予想できなかったっていうのは、本人たちが自分自身のリスク管理ができていないって気がする」。
確かに、もともと夜遊びなど考えもしない、家族の習慣の中にもそのようなものがない人々にとっては、「なんでわざわざ、危ない目に遭うようなことをするんだろう」と、他人事に思える部分もあるかもしれません。
私は、保護司も務める法律職の母のもとで育ち、自分と同じ年頃の子どもたちによる様々な非行の事例を間近で見てきました。そして、「家にいるくらいなら、路上で過ごした方がはるかにマシ」と真顔で言う少年少女たちが、家出するのを周りの大人に羽交い締めにされて止められても、それを振りほどいて不良仲間のもとへ走り逃げたり、深夜に2階の窓からそっと抜け出て行くのを知っています。「家族よりも仲間といたい」「路上の方がマシ」「とにかく家を出たい」。子どもがそう思うような家庭が存在し、子どもの家出を「世話がいらないからラク」と言う親がいるのは、確かなのです。
ですから、今年2月に発生した川崎の中一男子殺人事件や今回の寝屋川の事件を聞いて、「夜の世界にはあまりにも想定外の危険が多いことをあらためて実感し、不安に感じる」親や、「親離れ、成長の一端として黙認すべきなのか、あるいは何か打つ手があるのか……」と悩む大人たちは、既にその時点で子どもの安全に関心を持ち、ある意味で危険ゾーンの外にいます。そのような大人が作る場所は、きちんと子どもの居場所になり得るのです。
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