京都らしい風情を味わえる、町家
京都には、今なお伝統的な家屋である「町家」が数多く残っています。町家が立ち並ぶ場所に来ると、「いかにも京都らしくていいな」と思います。町家を改装したお店で、町家の雰囲気を味わってみよう
こうした町家の中には、伝統的な外観を保ちながら中をリノベーションし、店舗として使用しているものも多く、旅行者でも町家の雰囲気を味わうことができます。
今回は、京都でおすすめの町家レストラン、町家バー、町家ステイをご案内します。
先斗町の町家レストランで楽しむ、絶品ステーキ
最初に向かったのは、阪急電車の「河原町」駅や京阪電車の「祇園四条」駅からほど近い「先斗町(ぽんとちょう)」。ポルトガル語で「先」を意味する「ポント」が町名の由来ともいわれ、四条から三条まで、鴨川に沿った細い道沿いに飲食店やバーが軒を連ねる、京都有数の繁華街です。
先斗町の路地の入口に掲げられた看板
先斗町を歩いていて面白いのが、路地が入り組んでいて、隣の木屋町通りへ通り抜けできる路地と通り抜けできない路地があり、
通り抜けできる路地の入口には、「→ 通り抜けできます」
通り抜けできない路地の入口には、「× 通り抜けできまへん」
という看板が掲げられていること。この看板がないと、地元の人でも行き止まりの路地に迷い込んでしまうのかもしれません。
さて、今回、先斗町で取材させていただいたのは、レストラン『ことし』。『ことし(今年)』という店名には、「今の時間を大切にし、今、来ていただいているお客様を大切におもてなしする」という意味が込められているのだそうです。
シックでモダンなインテリア
建物は、築100余年の京町家ですが、当初、フレンチレストランとしてオープンしたこともあり、内装はとてもシックかつモダンにリノベーションされています。
料理は、京都ポーク、京野菜、豆腐、湯葉など京都らしい素材を数多く取り入れた、和と洋の調理法をあわせた創作料理。伝統的な雰囲気を残しながら現代風にリノベーションした町家の建物と料理がシンクロしているようにも感じます。
ランチ「岩焼」コースより。濃厚で風味豊かな「自家製クレーム・ド・豆腐」、おばんざい盛合せ、湯葉のお造り。メニューは季節によって変わる
このお店に来たら、ぜひ味わいたいのが、特選三梨(みつなし)牛の岩焼ステーキ。三梨牛は秋田県湯沢市で、特別な育て方によって年間約250頭しか生産されていない黒毛和牛。その中でも最上級A5ランクの肉を「角閃岩」のプレートで、じっくり焼きながらいただく極上ステーキは、なんとも贅沢なもの。
ランチ「岩焼」コースより、三梨牛、京都ポーク、地鶏、海老の「岩焼盛合せ」。
口の中で溶けるような柔らかくジューシーなこのステーキ、ディナーだと、やはり相応の値段になりますが、ランチなら三梨牛、京都ポーク、地鶏、海老の「岩焼盛合せ」をメインにしたコースで3600円ほどでいただくことができます。
■『ことし』メニュー
http://kotoshi-pontcyo.com/menu/
また、『ことし』でおすすめなのが「納涼床」。鴨川の河畔にしつらえられたテラス席で、涼やかな風に吹かれながら料理をいただけば、京都旅行の良い思い出になります。「納涼床」は、ディナーは5月1日~9月30日まで、ランチは5月と9月のみのオープンです。
鴨川の河畔にしつらえられたテラス席「納涼床」
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■先斗町 ことし
住所:京都市中京区先斗町通四条上ル4丁目松本町163
TEL:075-252-5003
アクセス:阪急京都線河原町駅より徒歩約4分、京阪本線祇園四条駅徒歩5分
定休日:不定休
地図 → http://kotoshi-pontcyo.com/map_coupon/
ホームページ → http://kotoshi-pontcyo.com/
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