快眠するための寝室環境とは?
良質な睡眠をとるポイントは、寝室環境と生活習慣です
明るさに関しては、なるべく暗いほうがよく眠れます。ただし、暗闇が嫌いな人や夜中にトイレなどに起きる方は、安心のために豆電球のフットライトをつけておくと良いでしょう。寝室の温度は16~26度、湿度は50%前後が理想的と言われています。
においについても、ラベンダーやスギ・ヒノキの香りの効果が実証されています。これらは、睡眠学の教科書にも載っています。音に関しては、40デシベル以上の騒音は、睡眠に悪い影響を与えることが分かっています。ところが、睡眠の質を良くする音の種類については、まだよくわかっていませんでした。
たしかに、「快眠CD」と銘打たれているのは、いろいろ売られています。クラシックなどの静かでゆっくりしたテンポの曲は、多くの人の心を落ち着けて眠くしてくれます。ところが、その音楽が嫌いな人にはストレスとなって、逆に眠れなくなることもあります。
ヤマハの「快眠音システム」
音環境は、睡眠の質を左右します
「快眠音システム」は、一人ひとりに合わせたオーダーメイドのシステムです。「快眠音システム」は、寝具の下に敷いて体の動きや呼吸・心拍を読み取る生体マットセンサーと、快眠音を生成する音源(パソコン)、快眠音を出力するスピーカーからなっています。
今回の研究では、呼吸や心拍に連動した音や音楽を聴くことで、寝つくまでの時間がどう変化するかを調べました。
聴かせた音・音楽は、夜の森を想定した虫の音や、チベット仏教の Singing Bowl、和打楽器、波音です。これに、呼吸や心拍に合わせて強弱をつけたり(Fade in/out)、少しずつ小さくしたり(減衰系)、音の大きさを変えなかったり(持続系)しています。
呼吸や心拍との連動が決め手
音のゆらぎが大事なようです
特に、寝つきが悪い人には、とても効果がありました。寝つきが悪い人では、夜の森を想定した虫の音でも寝つきが良くなりました。
呼吸や心拍との連動について、持続系には効果がありませんでしたが、Fade in/out や減衰系では、寝つきが良くなりました。睡眠習慣との関係はありませんでした。つまり、早寝の人も夜更かしの人にも、快眠音の効果があったということです。
また、音に対する好き・嫌いなどの主観的評価と、寝つきの改善程度は相関がありませんでした。快眠に導いてくれる音は、あまり好みでは決まらないようです。
この研究から、虫の音や波音などの自然音や太鼓・鐘・鈴を使った音楽を、呼吸や心拍に合わせて変動させ Fade in/out を繰り返したり、少しずつ小さくしたりすることで、睡眠の質を高められることが分かりました。
「快眠音システム」の市販が、待たれるところです。
【関連サイト】
ヤマハ株式会社
理想の寝室環境の作り方