ミュージシャンを職業として生活するには厳しい現実
2015年も残すところ残り4ヵ月となったが、残念ながら今年もV系シーンにおいて多くのバンドの解散、活動休止が目立った。年明けのガイド執筆記事『2015年注目すべきヴィジュアル系バンド』で取り上げた<2nd awake>はすでに解散、<Moran>も今月9月に解散を発表。その他、<xTRiPx>、<THE KIDDIE>、<ViViD>、<ゾロ>、<amber gris>、<REALies>らが活動を終了し、年内に、<Sadie>、<Lycaon>、<凛-THE END OF CORRUPTION WORLD->、来年<DuelJewel>の解散または活動休止も決まっている。これまでトップを張ってきたアイドルやバンドを思い返すと、そのアーティストが突如出現というよりも、ブームの中でそのトップに君臨した形で現れることが多かった。そこでまず、バンド活動を続ける者が減らないよう環境を整え、ブームを築き上げるべくシーンを盛り上げることは必要不可欠といえるだろう。
CDの週間売り上げ枚数が5000枚前後でもオリコンのシングルウィークリーチャート10位以内にランクインできてしまう昨今。ミュージシャンとしてCDの売上だけで生計を立てていくことはまず不可能に近いことからもわかるように、純粋なバンド活動で利益を生み出すことが難しい時代になっている。そうした態勢を見直すべく、ViViDのメンバーとして活躍していたko-kiは解散後すぐさま、バンドがバンド活動を続けられるような環境を作ろうと立ち上がった。その一環として、CD1枚の売り上げに対して作り手側に入ってくる手取りの少なさなど、それまで公にされることのなかった音楽業界の仕組みや金銭の流れを洗いざらい明かしたことは衝撃を与えた。
もちろん、すべてのバンドの解散理由が経営困難ではないが、ミュージシャンが職業として成り立つのように音楽活動を確立できれば、少なくともバンドの淘汰及び解散を悲しむファンも減らすことができるだろう。
>>今も昔もV系に求められるものとは!?