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男のロマンと憧れと ぼくたちの好きな探偵ドラマ(2ページ目)

探偵ドラマには刑事ドラマとは違う魅力があります。いくつかの要素を考えていくと探偵ドラマには男のロマンと憧れが大事な要素になるようです。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

変装に特殊能力 非日常的な作戦にワクワクする

『俺たちは天使だ!』では、沖雅也演じる主人公のキャプテンがここぞという時、ブーメランを飛ばします。水谷豊が演じる『探偵 左文字進』の左文字進は特殊メイクで誰にでも変装することができます。

土曜ワイド劇場の『江戸川乱歩の美女シリーズ』でも天地茂演じる明智小五郎が完璧に変装し事件を解決へ導きます。視聴者はわかっているものの、誰も変装を見破ることはないのが探偵ドラマです。

また『潜入探偵トカゲ』で松田翔太が演じた主人公の織部透は高い身体能力とともに、抜群の記憶力を見せました。ドラマの中の探偵は日常では考えられない作戦や能力で事件を解決します。そこにも男のロマンがあるようです。

ドラマを盛り上げる個性的な登場人物

主人公に限らず登場人物の個性が光るのも探偵ドラマ。

『俺たちは天使だ!』のダーツこと入江省三(柴田恭兵)はディスコで華麗なステップを踏む軽さが印象的。『傷だらけの天使』では水谷豊演じる乾亨が作品の人気を支えました。主人公を「あにきい」と呼ぶリーゼントのピュアな青年の満たされない雰囲気、浮遊しながら生きてきた切なさはまさにドラマチック、視聴者の涙を誘いました。

『探偵物語』の工藤俊作の天敵・服部刑事(成田三樹夫)はどこかギラギラした感じですが憎めない魅力があり、「工藤ちゃ~ん」と呼ぶ声でドラマを盛り上げました。『33分探偵』では、大田原警部(高橋克実)が、主人公の鞍馬六郎(堂本剛)の妄想推理にさらに乗っかってしまう とぼけたキャラクターで、視聴者から愛されました。
 

どこかなつかしい風景にホッとする

IT対策チームなど最先端の技術を駆使する刑事ドラマに対し、探偵ドラマは昭和のレトロ感が健在です。

ファッション、音楽、小道具にとどまらず雑居ビル、裏通りなど華やかな雰囲気から一本奥の通りを行き交う人たちの風景は、どこかなつかしい感じがします。懐古主義でもなく強いメッセージあるわけでもなく、サラッと描かれる世界だから、スッと入り込みやすいのかもしれません。


現在放送中の『探偵の探偵』(木曜夜10時/フジテレビ系列)は、クールで危険な香りがする探偵ドラマですが、探偵ドラマ的軽い雰囲気はなくユーモラスな人物もいません。その空気感を視聴者はどう感じているのか、ガイドとしては気になるところですが、とにかく最終回まで楽しんで見たいと思います。
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