家計簿・家計管理/家計管理の基本

老後のお金不安が少ない、安泰な人の特徴

「老後の不安」を抱えている人からの相談はとても多くなっています。しかし、そのように不安を抱えていても、意外と安泰なケースもあります。老後にお金の不安が少なく、安泰な人の特徴と、反対に老後が不安だと思える人の特徴についてお伝えします。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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老後が安泰な人と、そうでないケースの違いとは

多くの家計を見てきましたが、老後が安泰だと思える人には特徴があります。特殊なケースではなく、一般的に見て老後が安泰になりやすいケースとそうでないケースがあります。
 
豊かな老後

老後が安泰になりやすい人には、6つの特徴があります。


勤務先や制度のことなど、自分で変えることができないこともありますが、自分はどちらのケースに当てはまるかを考えてもらい、だからこそどう備えるべきか? ヒントにしてもらえると嬉しいです。
 

老後が安泰な人の特徴

特徴1:厚生年金(会社員・公務員)の期間が長い
会社員や公務員の場合、社会保険料として労使折半で年金を納める仕組みになっているので納め忘れるということがありません。従って、未納期間がほとんど無く、国民年金と厚生年金の2階建てをしっかり受け取ることができます。

特徴2:企業年金がある
今でも大企業を中心に確定給付型企業年金の終身型・有期型をお見かけしますが、多くの企業が確定拠出年金に移行されてきました。公的年金以外に年金があるというのは老後の安定に大きく影響します。

特徴3:個人年金がある
早いうちから個人年金保険でコツコツお金を貯めてきた人は、安心度が高くなります。個人年金という名称でなくとも60~70歳に満期を迎えるように設計された保険商品を持っている方も同様です。

特徴4:住宅ローンが60歳までに完済予定である
通常、家計の中で一番大きな支出は住居費(住宅ローンや家賃)です。この費用が60歳までに完済予定だと、家計はぐっと楽になります。退職後、収入が減るのに対し、住宅ローン等で支出が多いままだと、精神衛生上も負担がかかります。

特徴5:家賃収入や配当金収入といった資産から生まれるお金がある
アパートや貸家の家賃収入や、まとまった株式などの配当金収入といった「不労所得」があると心強いです。60歳以降は若い頃のように体を資本にした働き方では体がもちません。資産から生まれるお金があると余裕が生まれます。しかし、資産を持つ以上、子どもへの贈与や相続といった継承についても配慮する責任が生まれます。

特徴6:60歳以降も自分で稼げるスキルがある
自営業の人は定年という概念がありませんので、働ける時まで自分で稼ぐことができます。また、会社という看板を外しても、自分で稼げるスキルがある人は、老後も強い家計を作ることができます。

会社員でも老後を見据え、40~50代から新しいことを始め、退職後には自分の好きな仕事で稼いでいく方もいらっしゃいます。そのような方は、活き活きとしているので年齢を感じさせません。60歳以降も現役でいられることや稼げることが自信となって、その人を輝かせているのでしょう。

その他の特徴
金銭面以外では、健康や人間関係が老後の生活を大きく左右します。親子関係や兄弟姉妹関係がよければ多少お金に困ることがあっても助け合うことができます。また、精神面では孫の世話や地域のボランティアなど、「生きがい」を持つことがポイントになります。
 
  • 健康であること
  • 親子・兄弟姉妹の仲がよいこと
  • 地域や友人との人間関係がよいこと
 

老後が不安な人の特徴

特徴1:国民年金しかない
自営業者やパートの場合、国民年金しか支給されず、令和4年度の国民年金の満額は年間で約77万7800円です。月に換算すると約6万5000円と、年金だけでは当然生活は難しくなります。自営業者の場合リタイア時期は自分で決められますので、稼いで小規模企業共済や個人型確定拠出年金等を活用し退職金や「自分年金」を作り上げる必要があります。

特徴2:貯蓄がない・個人年金がない
公的年金だけでは不足する分を、貯蓄や個人年金でカバーする必要があります。お金を貯めるには時間がかかります。貯蓄も個人年金もないまま60歳を迎えるのは不安で仕方がないはずです。早いうちから貯めていくことが重要です。

特徴3:退職金がない
中小企業では退職金制度のない会社も珍しくありません。退職金がないとわかっているからこそ、早いうちからの準備が大切になります。

特徴4:持家ではない
家計の中で一番大きな支出である住居費は現役で収入があるからこそ、支払えるものです。賃貸派で気楽に過ごしてきても、老後は逆に家賃が負担になります。実家を相続できるならいいですが、そうでない場合はライフプランや老後の生活観を想定した住まい選びが重要になります。

特徴5:離婚してパートナーがいない
パートナーと死別した場合には遺族年金が家計を助けてくれますが、離婚の場合は自分一人で老後の生活費を作り上げる必要があります。生活費は二人より一人の方が割高になりますので、お金を貯めるスピードも一人だと遅くなります。離婚が想定される場合には、よりしっかりとしたマネープランを考えていくことが大切になります。

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