中古バイク/中古バイクの選び方

スズキの名刀!1100カタナは足で探すべし(2ページ目)

1980年、西ドイツのケルンで開催されたケルンショーでプロトモデルが発表されたGSX1100Sカタナ(刀)。そのものズバリ、日本刀をイメージしたという車体は誰の目にも先鋭的に写り、反響を呼びました。翌年のリリースから2000年まで製造されましたが、今なお色褪せない魅力を持つ1100カタナの中古車での選び方をご紹介します。

田中 友里

執筆者:田中 友里

中古バイクガイド

1100カタナ 中古車の相場観と購入時に注意したい点

1981年から2000年まで販売されていましたが流通数は相当数あり、一番新しいファイナルエディションでも15年落ちのモデルなので、補修パーツの調達が難しくなってきます。ということは、車両のいい状態をキープすることが難しくなってくる=優良車の価格が高騰する、ということです。旧車となると車両の価値は見る人によって変わってしまうため、明確な価格としての評価が難しくなってきます。なので、購入する際はまず

  1. ノーマルなのか
  2. ライトカスタムなのか
  3. フルカスタムなのか

自分がどんな1100カタナを求めているのか改めて確認してから、車両を見に行くといいでしょう。そこから旧車を専門に扱うショップや、カタナを専門に扱うショップで現車を確認し、車両程度と価格がどの程度なのか基準を定めて、最低でも3店舗くらいはお店をまわって見比べることです。明確な相場がないため、お店が扱う車両によって高額、低額の差は必ず存在します。なので、1店舗だけ見て決めるのは尚早です。

併せて、中古車のどこを見ればいいかを解説します。

●クランクケースが綺麗に修正されているか

エンジン形状上、転倒するとクランクケースカバーにクラックが入りやすく、修正をしている車両が多く見受けられます。補修が丁寧にされていればOKです。
GSX1100Sカタナundefinedクランク

クランクが出っ張っているため、転倒時にクラックが入りやすい

●ヘッドテンショナーカバーにオイル漏れはないか

旧車によくある症状で、視認できる不具合なので忘れずにチェックしましょう。
GSX1100Sカタナundefinedヘッドテンショナーカバー

ヘッドテンショナーカバーからのオイル漏れをチェック


●燃焼タンク内部が錆びていないか確認

口の回りではなく内部が錆びていないかを確認します。古い車両ほど、注意したい箇所です。
GSX1100Sカタナundefinedundefinedタンク

タンク内が錆びていないかを確認しましょう


●ウインカー周辺の補修があるかどうか

埋め込みウインカーだと、転倒時に周りのカウルが欠けたりするので、補修歴が見られることがあります。補修が丁寧にされているか確認しましょう。
GSX1100Sカタナundefinedウインカー

埋め込み型ウインカーは転倒時にカウルにもダメージを受けるので、修復痕を確認しましょう


●改造パーツには不具合がないか

社外パーツを装着するということは、部品の脱着があるということ。接続部分からのオイル漏れなどの原因となるため、パーツが変わっている箇所は不具合がないかチェックをしましょう。
GSX1100Sカタナundefinedフロントタイヤ

カスタムパーツがちゃんと取り付けられているか確認しましょう


●マフラーサイレンサーが内側へ食い込んでいないか

大きな転倒歴がある車両は、マフラーサイレンサーが内側へ食い込んでいることがあるので、車体とサイレンサーの隙間が極端に狭くなっていないかをチェックしましょう。
GSX1100Sカタナundefinedマフラーサイレンサー

マフラーサイレンサーが内側へ食い込んでいないかをチェックしましょう


●立ち姿が美しいか

車両を、前方後方から見た時に違和感がないことが重要です。大きな転倒などの前歴がある車両だと「ゆがみ」が見られます。タイヤのセンターが大幅にずれていないか、カウルなどにゆがみはないか、チェックしましょう。
GSX1100Sカタナundefinedテールランプ

バイクを正面、真後ろからみて違和感がないか確認しましょう

GSX1100Sカタナundefinedヘッドライトカウル

ヘッドライトカウルなどにゆがみがないかを確認しましょう


よい1100カタナに出会うためには、「足」で探すこと

10台車両があれば、10通りの程度と価格が存在します。まずは、自分の予算感と程度の擦り合わせを行ない、現車を見て基準を作りましょう。基準が出来たところで、車両探しのスタート地点です。

たとえば、どうしても70周年記念モデルが欲しい場合、価格に糸目をつけなければ、いい車両が手に入ることは間違いありませんが、誰もがそのようにはいきません。まずは専門店であなたのお眼鏡に適う車両の価格と程度を見て、もし予算などが合わなかった場合、そこから妥協点を見出していけばよいのです。1100カタナのようなカスタムが流行っていた時代の車両は、オリジナルで残っている車両は少ないので、その妥協点の見出し方が、よりよい車両との出会いを早めてくれることでしょう。

取材協力
MFDモトフィールドドッカーズ東京本店

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