サービス付き高齢者向け住宅、略してサ高住には、バリアフリーリフォームの参考になるところがたくさんあります。介護する側もされる側も幸せに暮らすためのリフォームのポイントをご紹介します。

最新設備満載のサービス付き高齢者向け住宅を見学

先日、ガイドYuuはパナソニックのサービス付き高齢者向け住宅「エイジフリーハウス川崎登戸」の、報道関係者向け見学会に行ってきました。

サ高住とは、介護や医療と連携し高齢者を支援するサービスが付いたバリアフリー住宅のこと。高齢者向けに特化された住宅のため、設備建材の選び方や配置など、我が家の介護リフォームの際に大いに参考になります。

サ高住

パナソニックのサービス付き高齢者向け住宅、エイジフリーハウス川崎登戸。介護リフォームの参考になるアイデアがたくさんある。


サ高住にもいくつかのタイプがあり、こちらは入居一時金が不要の賃貸タイプで、月額料金は約18.74~19.22万円。1室18.38~21.86平方メートルの20室で全室個室です。訪問介護や機能訓練を受けられる小規模多機能型居宅介護を併設しているため、24時間サポートを受けることができ、高齢者が安心して暮らせます。

賃貸住宅ですから賃借権があり、利用権の老人ホームとは形態が異なります。また、賃貸契約時にかかる敷金3か月分の経費が必要で、月額料金にはサービス費、食費などが含まれています。

では内部の様子を見ながら、我が家にも役立つ介護リフォーム、バリアフリーな家づくりのポイントをご紹介して参りましょう。

段差解消と手すりの取り付けで、行動範囲が広がる
介護リフォームのポイント-1

こちらのサ高住では、床は段差無くフラットで、ドアは全て引き戸、各所に手すりが取り付けられていて、住人が屋内どこでもスムーズに移動できるようになっています。加えて、屋外の駐車場から玄関までも段差が無く、自力で外出しやすい工夫がされています。

廊下画像

家の中までの段差廊下は車いすでも十分通行できる幅と、大きな手すり。もちろん床に段差は無い。


入り口

駐車場から玄関まで段差が無く、ドアは引き戸タイプで、自力で外出しやすい工夫がされている。


家の中の段差を無くし、手すりの取り付けリフォームをしたら、自力でできることが増えた例は数多くあります。また家の中から屋外への段差を解消しておけば、屋外への出入りがしやすくなり、行動範囲が広がります。

出入りは玄関だけに限定する必要はありません。寝室やリビングからつながる庭にウッドデッキを取り付ければ、段差無くスムーズに庭に出ることができ、またそこから駐車場までスロープを作れば外出がしやすくなります。

介護する側もされる側も楽に、そして要介護者ができるだけ自立できるよう、家の中だけに留まらず、屋外へのつながりも考えたリフォームの工夫をしていきましょう。

見た目はフローリング、掃除がしやすい塩ビの床材
介護リフォームのポイント-2

床の仕上げはフローリング柄の塩ビシート張りで、モップでごしごし掃除ができるようになっています。また室内ドアは上吊式の引き戸が取り付けられているので、車いすでも移動しやすく、床に下枠や溝が無いのが特徴です。

床

フローリング柄の塩ビシート。樹脂化粧シート張りの室内ドアは上吊式の引き戸で下枠や溝が無い。


床の塩ビシートにはいくつか種類があり、施設などで使われる「重歩行用」と呼ばれる土足で歩けるタイプなら、杖や車いすにも強く丈夫です。介護する人もされる人もできるだけ手間なく暮らせるよう、メンテナンス性の優れた建材を選んでリフォームしましょう。

トイレが自立の鍵、ベッドから最短距離で計画
介護リフォームのポイント-3

トイレに自分で行けるかどうかは、自立の継続にあたって重要なポイントになります。下の写真はサ高住の各個室についたトイレの様子です。ベッドからトイレまでは直線ですぐの位置に、ドアは3枚の引き違いでどちら側からも開閉できます。

居室

ベッドからトイレまで直線ですぐの位置に。ドアは3枚引き違い、どちら側からも開閉できる


バリアフリートイレ

トイレの内部には便座への着席や立ち上がりを安全にスムーズにするための手すりが取り付けてある。


手すりと洋式便器の取り付けリフォームをしたら、トイレに自分で行けるようになったと喜ばれた例もあります。

最近では、大掛かりな工事をしないでも取り付け可能な「ベッドサイド水洗トイレ」もあり、2015年4月の介護保険法改正により介護保険特定福祉用具購入の対象となっています。

高齢になれば、トイレが近くなるので、まずはベッドからトイレまでの移動距離が重要なポイントです。寝室からトイレまでの距離を短く、それからドアの開閉、便座への着席、立ち上がりまでの一連の動きがスムーズにできるようなリフォームを考えてみましょう。

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