遺族基礎年金について
遺族基礎年金は万一に備える年金。受給範囲も広がりました。
遺族基礎年金の支給額は、障害基礎年金と同様、子の加算があり、配偶者が受給者になる場合と子が受給者になる場合でそれぞれ子の人数により以下のようになります。
(金額はいずれも2015年度額)
事例を使って、遺族基礎年金の支給額をみてみましょう。
【例】
スズキエミさん(1978年7月生まれ、37歳)は夫婦でフラワーショップを経営していましたが、2015年8月、夫に先立たれました。エミさんには、長女アオイさん(10歳)と長男ショウくん(8歳)の2人の子どもがいて、2人とも障害の状態ではありません。死亡した夫に保険料の未納はなく、エミさんと2人の子どもは夫に生計を維持されていました。
夫の死亡によりエミさんが受給できる遺族基礎年金は子が2人いるので、122万9,100円(2015年度額)です。年下の長男のショウくんが18歳年度末に到達すると、エミさんの遺族基礎年金は失権します。失権するまでに妻のエミさん受給できる遺族基礎年金は以下のようになります。
(金額はいずれも2015年度額)
免除手続きで救われることも
障害基礎年金や遺族基礎年金は、高齢者だけでなく現役世代も受給する可能性がある年金です。公的年金は社会保険、つまり「保険」なので、病気やけがあるいは死亡といった年金が支給される原因である保険事故が起こった後で、保険料を納付しても保険料納付要件を満たすことができない場合があります。保険料の未納は、「無年金」という事態を招きかねません。特に、障害基礎年金は受給者の年齢が低く、60歳未満の受給者が60%以上を占めています。
(厚生労働省「2009年年金制度基礎調査」より)
なお、障害基礎年金の受給者は法定免除に該当し、国民年金の保険料が全額免除されます。2014年3月までは障害基礎年金の受給者になった後、保険料の納付を希望する場合は追納による納付以外は選択できませんでしたが、2014年4月以降は申請することで通常の保険料を納付することができるようになりました。障害基礎年金は障害の程度が軽くなると支給停止や失権することがあります。65歳以降、老齢基礎年金を受給することになった場合、免除を受けた期間は10年以内に追納しないと年金額への反映が一定割合(2009年3月までは3分の1、2009年4月以降は2分の1が年金額に反映)にとどまり、障害基礎年金に比べると老齢基礎年金の受給額が低額になる可能性があるからです。
また、国民年金の保険料納付を選択すると、国民年金基金にも加入できるようになるので、老後の年金をより充実させることができます。老齢基礎年金や国民年金基金の終身年金は、死亡以外の理由で失権することはありません。また、国民年金基金に加入するとき、保障期間のついたタイプを選択すると、死亡後、加入期間に応じた遺族一時金が遺族に支給されます。国民年金の保険料納付が可能な場合は、選択肢とするとよいでしょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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