女性好みのリアスタイル。第一印象は「けっこうでかい」
第一印象は、けっこうでかいな、だった。写真でみれば、SLSに比べて随分と小さくまとまったイメージだが、実物はそうでもない。確かに、ホイールベースが50mm、全長で100mmほどSLSより短いわけだけれども、車幅は同じ1940mmで、車高にいたっては少し高い。クルマの前に立つとき、いきなりリアから眺める人などそういないだろうから、多くの場合、けっこう大きいナァ、となるはず。SLSをよく知っている人が前から見たならば、ほとんど同じ大きさに見えたはずだ(ボクはそうだった)。
横からの長めは随分違う。丸みを帯びたルーフは、はっきりと居住性重視だし、まるでポルシェ911のようにオシリを丸めた結果、ロングノーズは際立って強調されている。
リアからの眺めは、女性好みなのだろう、乗っているあいだ、知り合いの女性からの評判はよく、なかには“乗り換えたい!”という人もいたので、今、何に乗っているの?と聞いてみれば、やっぱりポルシェ911だった。もっとも、しげしげとご覧になって、運転席に試し座りし、ひと言。
「やっぱりちょっと大きいわね」。911のサイズ感は、タイプ991で大きくなったとはいえ、未だ最新絶妙レベルだというわけだろう。
コクピットは左右方向にタイトながら、上下に余裕があり、乗り込んでしまえば思いのほか快適だ。ダッシュボードの誂えも当世メルセデス風。ボリュームはあるけれども、適度にゴージャスなスポーティ系で、飛び抜けて特別な設えであるという印象こそ持てないけれども、価格に対する納得性は十分ある。