メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

メルセデスAMG GTにAMGの本気を見た(3ページ目)

高性能ブランド・メルセデスAMGのフラッグシップとなる2シーターのFR高性能スポーツクーペがついに登場した。最もコンペティティブなスポーツカーシーンにおいて、トップクラスの存在感を持つ。今回はド派手なイメージカラーをまとったAMG GT Sに長距離試乗、その印象やライドフィールは?

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

乗り心地はフラット&ハード。俊敏さはSLS以上

メルセデスAMG GT S

デュアルクラッチ式のAMGスピードシフトDCTを搭載。走行モードを切り替えるAMGダイナミックセレクトはComfort/Sport/Sport +に加え、個別のセッティングが可能なIndividualを用意、さらにSにはサーキット走行用のRACEも備わる


“轟”の修飾もドンピシャなサウンド演出とともに、V8エンジンが派手に目覚めた。バキバキバキと周囲からの注目を引かずにはいられないサウンドエフェクトである。もうそろそろ、この手の音の演出には飽きてきたと個人的には思うものの、スーパーカーといえば音が一番大事というユーザーはまだまだ多い。

メルセデスAMG GT S

エンジンマウントとミッションマウントに液体可変マウントを採用、走行状況により硬さを自動調節する


GTと名乗るからには、SLSとはまるで違う方向性のライドフィールかと思いきや、根本的にはそれほど違っていなかった。つまり、基本的にはフラット&ハードな乗り心地に徹する。ことによると、ポルシェ911の高性能グレードよりも硬め。ボクは嫌いじゃないけれど、いささか古くさい印象は拭えない。

変わった点は、アジャイルさ。長いノーズの動きはSLSよりもずっと敏感で、しかも実際の動きも、かなりキレている。大きなエンジンの存在を感じつつ、シャープなのに結果的に大回りしている印象のあったSLSに比べて、手の内に収まる範囲でノーズが向きを変える感じで、スポーツドライブでの楽しさは倍増だ。

特に、ワインディングロードでの楽しさは格別。面白いぐらいに内を向く。ちょっと内向きの味付けが濃いような気もするし、ミッドシップカーのコマを回すように理にかなったニンブルさとはまた別モノではあるが、これはこれで面白い。きっと、サーキットでも楽しいことだろう!

メルセデスAMG GT S

Sには電子制御ダンピングシステムを搭載したAMGライドコントロールスポーツサスペンションを装着。Comfort/Sport/Sport +のモードの選択により減衰特性を調整できる


メルセデスAMGのフラッグシップスポーツは、スーパーカー領域ではないものの、最もコンペティティブなスポーツカーシーンにおいて、トップクラスの存在感をもつ。果敢にも、911が圧倒的に強い高級スポーツカー領域に挑戦したということ自体、AMGの本気を見ることができたというわけだ。

メルセデスAMG GT S

120km/hを越えると自動で持ち上がるリトラクタブルリアスポイラーを装備。マフラー内のフラップを用いてサウンドを切り替えるAMGパフォーマンスエグゾーストシステムを備えた

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます