必要な栄養素が揃っているかどうかは「色」で分かる
バランスのよい食事は色もきれいです!
もちろん、患者様のお話を伺っても、バランスには気を使うものの、具体的にどうしてよいのか苦労されているようで、特に「食材の選び方」は自己流でやっているものの自信がない、というお声を多数いただいています。そこで今回は、できるだけ簡単にバランスのよい食事を取り入れられるように、食材や料理を「色」で選ぶ方法をご紹介します。
色による食品分類
食材を色で分けるという考え方は、これまでにもさまざまな方々が試行錯誤をしていたようです。いくつか有名なものを一覧にしてみます。図にあるように、3~6色のさまざまな色分け方法があります。この中からどれを選ぶかは、自分が取り入れやすいものかどうかで判断しても問題ありません。ただ、「三色食品群」は小学校低学年用の食育に用いられている教材なので、考え方がシンプルで最初の取っ掛かりとしては使いやすいのではないかと思います。
最もシンプルで取り入れやすい「三色食品群」
「三色食品群」はその名の通り、食材を3色に分けて考える方法です。赤色は「主に身体の組織をつくる」、黄色は「主にエネルギーとなる」、緑は「主に身体の調子を整える」栄養素となっています。身体の組織をつくる栄養素は「たんぱく質」ですから、たんぱく質を多く含んでいる魚・肉・卵・大豆製品などが赤色の仲間です。黄色は炭水化物(糖質)ですので、炭水化物を多く含む米・麺・パンなどが含まれます。緑色は見た目の通り、ビタミンを多く含む野菜がこの仲間です。キノコやこんにゃく、海藻なども緑色の仲間です。
この3色が揃っていればバランスは整っているし、これが揃っていなければバランスがよくないというわけです。同じ色のイメージを持つ食品は同じような栄養素を持っていることが多いので、食品を選ぶときの参考にするとよいでしょう。
料理の色を考える
上記の色分けも面倒な時は、もっと単純に料理の色合いでバランスが取れているか、大まかな判断はできます。食事のお膳を見て同じ色ばかりだと思うときは、ほとんどの場合食材の偏りがあるはずです。料理が全体的に茶色っぽいときは、肉か魚と根野菜が多いとき。他にも赤が多いときはケチャップベースの煮物にトマトを使った小鉢といった塩梅。病院では人数も多いので、こういった食材の被りがないように注意をするのですが、ときどき失敗をしてこういう献立を作ってしまうことがあります。このように、料理の皿の中が赤や茶ばかりで同じ色だと、バランスが偏っているのがよく分かりますよね。
色彩のよい料理はそれだけで食欲が沸くものですが、その色彩だけでも栄養のバランスの良し悪しはある程度判断できます。それと同時に、大事なことは丼だけ、ラーメンだけ、などの単品だけを食べるのではなく、主食・主菜・副菜をそろえて食べることを意識することから始めてみるとよいと思います。