新築マンションを買うと老後資金が足りない?

家を買いたいがなかなかお金が貯まらない

家を買いたいがなかなかお金が貯まらない

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、住宅購入を希望する、30代でほぼ新婚に近い会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんが担当します。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)


■相談者
いけうまさん
女性/会社員/37歳
広島県/賃貸

■家族構成
夫(35歳/会社員)

■相談内容
結婚して1年7ヵ月です。今月から夫の給与が月1万5000円も下がりました。賞与は夫は営業目標を達成したら年間50万円ほど支給されるようです。私が50歳になるまでには住宅を購入したいのと、それと同時に老後資金をどのように貯蓄していけばいいのか、不安を感じています。また、できれば新築物件を購入したいですが、この収入では中古物件しか購入できないのではと考えています。私の独身時代の貯蓄300万円を少しでも増やしたいと考えています。できる限りリスクの低い商品を選びたいので、今は勉強中です。

■家計収支データ

「いけうま」さんの家計収支データ

「いけうま」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち
夫の分は金額未定のため、使いみちは考慮していない。
妻の分は夫婦の40万円、自分の貯蓄10万円、旅行20万円。

(2)「保険料1万6000円」の内訳
・夫/終身(死亡保障250万円、60歳払込終了)=保険料6369円
・夫/医療(終身保障、65歳払込終了、入院5000円、三大疾病特約)=保険料3562円
・夫/がん(終身保障、65歳払込終了、診断給付金100万円)=保険料1827円
・妻/医療(終身保障、65歳払込終了、入院5000円、三大疾病特約)=保険料3037円
・妻/がん(終身保障、65歳払込終了、診断給付金100万円)=保険料1721円

(3)住宅購入について
購入時期は10年後くらい。新築マンションで広さは2LDK、広島市内で交通の便が良い場所を希望、価格は2500万円程度。また、夫は実家がありますが、姉と妹がおり、誰が実家を継ぐのか決まっていない。妻には実家はない。

(4)ご夫婦それぞれの定年と、
夫婦とも定年は60歳。妻の会社は60歳定年後は65歳まで再雇用制度があり、65歳まで働く予定。

■FP八ツ井慶子からの3つのアドバイス
アドバイス1 希望するマンションは買える範囲
アドバイス2 住宅価格を下げることも検討したい
アドバイス3 投資は勉強と実践をリンクさせよう

アドバイス1 希望するマンションは買える範囲

まずは住宅購入について考えてみます。

ご主人の営業成績が目標を達成しないと、ボーナスはどの程度支給されるのかがわかりませんが、仮にゼロとします。その場合の貯蓄ペースですが、月8万円にボーナスで40万円ですから、年間136万円。購入希望時期の10年後には、1360万円(現在の貯蓄分を加えると1460万円)は貯まる計算です。

ご希望する2500万円の新築マンションですが、購入の諸経費を100万円としてもトータル2600万円。手元にある程度残したいので、それを200万~300万円とすれば、ご主人のボーナスを考慮しない場合、用意できる頭金はざっくり1000万円、借入額は1600万円となります。

住宅ローンですが、購入時の年齢(夫45歳、妻47歳)を考えれば15年程度の返済としたいところ。かりに金利1.5%でボーナス払いを併用しないと、毎月約9万9000円。マンションの管理費と固定資産税も加えると、毎月の住宅コストは12~13万円でしょう。現在の家計簿を見ると、毎月の収支は家賃がなくなる分、プラス15万円。これだけ見ると家計的には「買える」範囲と言えそうです。

アドバイス2 住宅価格を下げることも検討したい

しかし、ローンの支払いが終わった時期から老後が始まります。したがって、老後資金づくりは住宅ローンを払いながら、ということになります。相談者の「いけうま」さんも心配されているとおり、上記ローンを組んでしまったら多くを用意することは難しいと言わざるを得ません。

もちろん、今後10年間、ご主人にボーナスが支給され、それを貯蓄に回せるとすれば、頭金を増やすことができますから、結果的に住宅ローンの支払い額をより抑えることも可能です。しかし、そこを当てにした買い方がいいとは思えません。現在の貯蓄ペースも10年間継続できるかどうか。金利も上昇リスクは当然あります。

そこで、希望するマンションの価格を下げてはどうでしょうか。「新築がいいが、中古しか買えないのでは……」と言われていますが、価格が下がる効果は思いのほか大きいものです。たとえば、借入額が500万円下がれば、先と同じ条件で借り入れたとして、毎月の返済額は約6万8000円。1000万円下がれば、約3万7000円。老後資金づくりにも余裕が生まれてきます。どうしても新築という思いが強いのであれば、より郊外までエリアを広げてみてもいいのでは。検討してみてください。

同時に、家計の見直し余地もあるかもしれません。食費や水道光熱費は頑張って節約されていると思いますが、一方、家族のこづかい、趣味娯楽費、雑費あたりはどうでしょう。個々に見れば大きな額ではありませんが、合算すれば月額7万5000円。年間では90万円にもなります。こういった費目は時に買う目的があいまいで、気づいたら額がふくらんでいたということが珍しくありません。定期的に、きびしくチェックしてみるてはどうでしょう。

アドバイス3 投資は勉強と実践をリンクさせよう

もうひとつ、ご自身の貯蓄を投資について、少しでも増やしたいので今は勉強中とのこと。ぜひ、続けてください。

ただ、私も経験がありますが、いくら勉強しても、実践しなければわからないことがあります。ですから、勉強と平行しながら、少しずつ実際に始めてみるといいでしょう。積立型の投資信託などを、毎月1万円ずつ買っていく、といった程度でいいと思います。300万円で5%マイナスになったら15万円ですが、1万円なら500円で済みます。

実際の投資で大事なことは、値動きに対して、その原因や背景を知ることです。ニュースや新聞、ネットでもいいので、調べていく。それを続けるうちに、市場の動きと経済や社会の動きのつながりが見えてきます。そして、それを「面白い」と思ったら、おそらく投資に向いています。タイミングを見て、投資額を増やしてもいいでしょう。ただし、投資の優先順位は後。家計改善の方が重要ですので、その点は忘れないでくださいね。

「いけうま」さんから寄せられた感想

この度は先生よりアドバイスをいただきまして有難うございます。私が心配していることが、先生が見られても懸念材料であることがわかりましたので、住宅購入を諦めて、高齢者専用賃貸に住むことも検討しようかと思います。また、雑費やお小遣いなどはまだ見直す余地があるのでは…とのことでしたので、難しいですがもう少し削れる部分はないか考えてみます。投資については、実践も少しずつ取り入れてみつつ、自分に向いているのか見極めてみたいです。ありがとうございました。


教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん

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ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する! 』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める


取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ

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