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許す? 許せない? 子育てママの街マナー(2ページ目)

あなたも直面するかも?立場が変わると、相手への見方も変わること。最近よくコメントを求められるのが、 “子育てママの街でのマナー”。マナー講師である私のもとには、双方の意見や不満の声も入ってきます。育児に関わっていない人はその振る舞いに顔をしかめ、片や、子育て中ママは「もっと気遣って」が本音。どうすれば、優しく向き合えるのか。それぞれの言い分を通して、考えてみましょう。

諏内 えみ

執筆者:諏内 えみ

暮らしのマナーガイド


つづいて、子育て中の人からの主張をご紹介。子育てをしていない方にとっては、想像以上のコメントかもしれません。


子育て中ママの、言い分

ベビーカーの横一列は仕方ない

ベビーカーで通れない。よくある光景です。

ベビーカーで通れない。よくある光景です。

ベビーカーの移動は大変です。せっかくのママ友と一緒のお出かけ、おしゃべりしながら歩きたい気持ちは分かりませんか?毎日育児や家事に追われている、忙しい子育てママたちを大目に見て欲しいです。ほとんどの場合、気づかないだけなので、「ちょっと失礼」と一声かけていただければ、すぐによけますよ。
 

 

ラッシュだからこそ気遣って

好んでラッシュ時に乗っているわけではありません。やむを得ない事情があったり、会社の近くの託児所に預けるママもいるのです。ベビーカーが車内でのスペースを占領すると言うのなら、女性専用車両のようにベビーカー専用車両を設けるなど、子育てママと幼児のための対策を国や行政などに取ってほしいと思ってます。

 

子供は泣くもの。ママもお手上げ

泣かれているママの気持ちを考えることができたら…

泣かれているママの気持ちを考えることができたら…

子供は突然に泣き出すもの。おやつを与えたりして、なだめすかします。それでも泣き止まない時には何も手立てがありません。泣かれる方が辛いというママの心境を察していただきたいのです。そんな時、育児経験のある年配の女性の方から言葉をかけてもらえると、本当に救われます。
 

 

わずかな時間くらい、見守って欲しい

走り回る子供。騒ぐ子供。どこまで許すべきでしょうか。

走り回る子供。騒ぐ子供。どこまで許すべきでしょうか。

一日中子育てに追われていると、区役所や銀行に行くのも一苦労。当然、子供を連れて行くことになりますが、手続きをしている間は目が行き届いてないとき、わずかな時間でも、元気な子供がちょっと走ってしまうのは、そこまで嫌な顔をするほどのことでしょうか。心広く、温かく見守って下さい。
 

 

ファミレスは、ママ友サロン

ママ友が気兼ねなく話ができる憩いの場として、ファミレスは重宝。席でオムツを変えるときは、本当の緊急事態、一応見えないように気を遣っていますし、突発的な場合もあるので、理解していただきたいです。長居をして、声高に盛り上がっているのは私たちママより、元ママのオバサマたちの方では?
 

ママだって高級感に浸りたい

独身時代に味わったレストランに行きたいのに、ベビーシッターには頼めないのが現実。夫は仕事で遅いし、ママ友どうしで行く場合はどうしても子連れになってしまいます。育児に追われているママたちの息抜きのために、たまにはレストランやホテルの贅沢な空間に身を置きたいのです。もちろん、「〇才以下のお子様お断り」と表示されていれば、入りません。

 

筆者の想い

それぞれの立場での、異なる、それぞれの主張、皆さんは何を感じられたでしょうか。幼い子供を抱える子育てママの気苦労は十分察します。ただし、大勢の人が集まる場所では、周りに配慮する気遣いも必要です。また、子育て中ではない人の立場なら、一方的に批判するばかりではなく、理解を示し、温かく見守ってあげる余裕を示しても良いのでは? 特にシングルマザーの方が増えているいま、ママたちの大変さに目を向けたいもの。

そこで両者に問われるのは、「知識」と「想像力」。育児未経験の人なら、ベビーカーを畳んで子供を抱っこすることの大変さ(ベビーカーのハンドルと座面の下に置いた、オムツや飲み物や着替えの入った大きな荷物を肩と腕に掛け、子供を抱き上げ、ベビーカーを畳み、さらにベビーカーが倒れないように支え、電車の揺れによろけないように立つ!)や、子連れで気兼ねなく食事できる場所が少ないことなどを知りましょう。

逆に、子育て中ママなら、TPOを考えた振る舞いや、そこに子供がいることで周囲に及ぼす影響などを想像してみて下さい。そうすれば、相手に寛容になり,
もっと優しく向き合えるのではないでしょうか。このことはマナー全般に共通して言えます。

「無知」なことと「無自覚」であることは、とても恥ずかしく、そして場合によっては相手を傷つけ、罪深くなる場合もあります。相手が置かれている状況の「知識」を身につけ、さまざまなシーンで周囲に対する「想像力」を働かせて、自分がその場で本当に適切な行動をとっているかどうか、振り返ってみる必要がありそうですね。

 

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