教育費は節約の対象にならない?!
幼児期の教育費に要注意
ちなみに、文部科学省の「平成24年度子供の学習費調査」によると、私立幼稚園に通う5歳児の学校外活動費は年16万9205円。月平均にすると約1万4100円なります。私立幼稚園の学校教育費は年34万464円、月にすると約2万8000円。なんと幼稚園時代は合計で4万2000円以上の教育費をかけているのです。
幼稚園以外の費用もこんなにかかる！
幼児期の学校外活動費＝お稽古ごとは、本人の希望というより、皆が行っているから、親が行かせたいからいった理由がほとんど。ほかの費目ならば節約対象になるはずなのに、教育費だけは特別扱いをしてしまうのです。
乳幼児→幼稚園→小学校低学年の時期は、長い目で見ると、まだまだ子どもにかかるお金が少ない“貯めどき”です。小学校高学年からは学習塾などへ通うようになったり、部活動などの活動費もかかるようになり、公立学校でも予想外のお金が必要になります。高校までは毎月の家計の中でやりくりするのが基本ですが、私立高校の入学時などは預貯金を取り崩す必要があるかもしれません。そして、あっという間に最もお金がかかる大学時代を迎えるのです。
「大学の学費は400万円が目安」は私立文系の場合
では、大学の費用はいったいいくらかかるのでしょう。平成25年の文部科学省の統計によると、4年間の学費は最も安い国立大学の場合で約250万円、私立・文系は約416万円、私立・理系は574万円。一般的に大学の費用は400万円が目安といわれますが、これはあくまで私立・文系を想定した最低ラインと考えた方がいいかもしれません。
大学の費用は準備しておかないと対応が難しい
しかも、これは大学に払う費用だけ。入学までの受験料や自宅外から通学する場合の引っ越し費用、毎月の仕送りは含まれません。
さらに、学費の準備だけではお金が不足する要因となっている最近の傾向に「留学」と「大学院進学」があります。学部を問わず留学は当たり前になってきていますし、理系の場合は大学院（修士課程）進学者の割合が高くなっています。
大学生になったら学費以外はアルバイトでと考える人も多いでしょうが、専攻によってはアルバイトが難しい場合もありますし、アルバイトを熱心にするあまり留年したのでは本末転倒です。
どうやって大学費用に備える？
とにかく教育費の最大のヤマ場は大学時代。学資保険など、確実に積み立てられ、取り崩しにくい方法を利用して備えるのが基本です。貯めるお金の原資としては、何となくやっている幼児期のお稽古ごとを見直して月1万円を確保。小学校卒業くらいまで10年間貯めれば、元本だけで120万円になります。もうひとつは「児童手当」。中学校卒業までに給付されるお金を全額、貯蓄に回せば約200万円（所得制限世帯を除く）。このふたつで、とりあえず320万円は確保することができます。
子どもの教育費は、独立するまでの20年以上をひとつの期間と考え、余裕があるから使っていいのではなく、必要でないお金は節約してしっかり貯めておきましょう。ほかの費目と同じように教育費も見直しておかないと、大学費用は金額が大きいだけに親の老後、本人の社会人生活に大きな影響を与えるコワイことになりかねません。
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