新築に比べ、皆さんにとって身近で容易だと思われがちなのがリフォーム。ですが、必ずしもそうではありません。実はリフォームはそれなりに難しさを抱えていますし、ケースによっては新築以上に面倒な場合もあります。今回は最近みられるようになった新しい動きについて紹介しながら、リフォームについて考えていきます。そこから、リフォームを含む住まいづくりというのが、いかに難しいことなのかもご理解いただけると思います。

アマゾンが住宅大手と組みリフォーム市場に本格参入

まず、リフォームについて改めて状況を整理しておきます。用語の確認ですが、リフォームという言葉は一般的に増改築全般のこと、つまり広義の意味として定着していると考えられます。

アマゾン

Amazonが「リフォームストア」をオープン。これにより今後、拡大が見込まれるリフォーム市場に本格参入した(クリックすると拡大します)

ただ近年は、内外装や設備を大きく変更する工事のことを「リノベーション」と称することが増えてきています。このことがまず大きな変化の一つです。さらに最近は様々なかたちで、リフォーム事業に参入する企業が増えてきました。

例えば直近では6月30日に、アマゾンジャパン(以下、Amazon)が総合オンラインストア「Amazon.co.jp」内に「リフォームストア」をオープンしました。

これは積水ハウス大和ハウスリフォーム(大和ハウス工業の関連会社)、ダスキンの3社によるリフォーム関連商品やサービスの販売するというもの。ちなみにその後、ソニー不動産もその輪に加わっています。

Amazonといえば世界最大のインターネットショッピングサイトを運営していますが、これまでは住宅リフォームの世界ではあまり認知度が高くありませんでした。

リフォームストアのオープンは、Amazonによるリフォーム市場への本格参入の動きと世間ではみられ、各種報道で大きく取り上げられました。かくいう私も説明会に参加してきた一人です。

では、Amazonがリフォーム市場に参入したのはなぜでしょうか。それは新築住宅市場にと比べて、成長が期待できる分野だからです。ここで、少しリフォーム市場について詳しく理解しておきましょう。

様々な業態の事業者がリフォーム市場に注目

野村総合研究所がまとめた「2015~2030年度までの新設住宅着工戸数およびリフォーム市場規模の予測」によると、新設住宅着工(戸建て・マンション・賃貸住宅などの新築)は2030年度には約53万戸(2014年度実績約89万戸)になるとされています。

マンションリフォーム

リフォームするためほぼスケルトン(躯体)の状態になった建物内部(マンション)の様子。少子高齢化、住宅余りの時代になり、既存の建物をリフォームして長く使う時代が本格到来しようとしている(クリックすると拡大します)

一方、リフォームについては2030年度に6兆円台で推移するとしています。2014年度の市場規模も6兆円台といわれており、このため今後も横ばいで推移するということですが、これは現状の活性化策にとどまっているケースを想定したもの。

今後、政府はもちろん、民間事業者も商品やサービスの展開を工夫することで一層の拡大が期待されています。というのも、何より少子高齢化の時代であり、住宅の数はもう足りている状況です。

新たな住宅を建てるより、既にある住宅をリフォームして活用する方が、国にとっては財政面で助かりますし、私たちにとっても取得費用低減などのメリットが生じます。

このような背景があり、リフォーム市場については、住宅事業者のみならず様々な業態の事業者が注目しているわけです。

違う見方をすると、リフォーム市場を活性化させる方策というのは、今あるもの以外にも様々な可能性があるということです。ですから、Amazonのようなこれまで一見、リフォームとは縁遠いと思われていた事業者が参入を果たしたのです。

ちょっと難しい話になってしまいましたが、ここまではリフォームという世界が今どうなっているのか、これからどうなるのかについてのお話です。

次のページでは、Amazonのリフォームストアでどのようなサービスが展開されるのかについてまずご紹介します。そこから、リフォームというのが何気に難しさをはらんだものであるということを、ご理解いただけると思います。