Amazonのリフォームストアで販売される商品はキッチンやバス、洗面台、トイレなど多岐にわたりますが、全て施工費込み、定額で販売するというのが大きな特徴です。これは原則的にどんな建物でも変わりません。

商品が全て施工費込み・定額なのはなぜなのか

積水ハウスでは新築住宅を担当する積和建設各社が工事を担当。大和ハウスリフォームはインスペクション(建物診断)や床下点検を付加。なお、ダスキンはエアコンなどの掃除サービスなどを販売します。

積水ハウス

積水ハウスのブースの様子。施工を担当する積和建設では「リ・クエスト」のブランド名でリフォーム事業を展開している(クリックすると拡大します)

気になる価格については、例えば積水ハウスが出品しているある定価99万9000円のキッチンを、リフォームストアでは商品価格56万9000円、施工費込みのトータルで84万3000円で販売しています。

もっとも、単に商品価格のみでしたらリフォームストアより他の事業者が扱う商品の方が安いケースがあるかもしれません。しかし施工費込み・定額とするのは、リフォーム市場では未だレアなことなのです。

というのも、そもそもリフォームの工事は一般的に施工費を込み、定額とするのは業者サイドからすると大変リスキーだからです。これは建物によって経年劣化の状況、設置場所の状況などが異なるためです。

一例をあげると、仮にキッチンを新たに取り付けるとしても、設置する場所の床材の状態だったり、給排水の配管の状況や場所というのはそれぞれです。本来はそれにあわせて資材費や作業費がかかるのが普通です。

ですので、上記2社の場合も建物の状況次第では、工事できないケースもあるそうです。ちなみに、工事が完了するまで料金は発生しませんからその点では安心できそうです。

さらに仮に施工費込み・定額という商品があったとしても、どこの誰が施工するのかわからないのでは私たちは安心できません。ですから、積水ハウスが積和建設という関連会社に施工を任せたり、大和ハウスリフォームがインスペクションなどをサービスを盛り込んで、そのあたりを補完しているのです。

なぜ、このようなことを書くかというと、リフォームというのは本当に様々なタイプの事業者がいるからです。非常にまっとうな商売をしている業者がいる一方、「悪徳リフォーム」や「リフォーム詐欺」もあります。

リフォームの事業には元々、住宅事業者や建設業ではない事業者が参入しているケースも多くみられます。ですから、施工やサービスの品質のみならず、費用に関するトラブルが多いのもリフォーム業界の特徴です。

工事が絡む請負型商品だからこその難しさを理解しよう

つまり、リフォームの商品販売というのは本来、インターネットを通じて展開するのにはあまり向かないのです。そのため、Amazonのリフォームストアでは品揃えや価格の安さに加え、工事費込み、定額制、大手ハウスメーカーの安心感という付加価値を加えなければならなかったのです。

大和ハウスリフォーム

大和ハウスリフォームのブースでは、独自開発した床下点検ロボット「moogle(モーグル)」による点検のデモンストレーションが行われていた(クリックすると拡大します)

で、ここからが皆さんによく理解していただきたいことなのですが、ここに住宅を建築する・リフォームするということの難しさがよく表れているのです。要は「請負」が絡む商取引というのは、必ず業者の質の問題、サービス内容や価格の不透明さなどに直面せざるを得ないということです。

請負とは単に商品を販売するのではなく、工事を伴うことで商品が完成するというスタイル。つまり出来上がるまで商品の仕上がり具合というのがわからない世界なのであり、そのため不確定要素がやたらと多いのです。

冒頭で「リフォームは身近で容易に感じられる」と書きましたが、それは新築に比べ費用が少なくすむ傾向にあるためです。それ故に、工事をする業者選びについてそれほど神経質にならなくて良さそうだと思われがちです。

決してそんなことはありません。リフォームでは住みながら工事をするのが普通で、だから業者の質がよく見え、そのため価格も含めたトラブルも発生しやすいのが実情です。

今後、日本ではリフォームがより重要な位置づけを占めるようになり、ネットでの商品販売の拡大などその有り様も変わるはずです。しかし、今回指摘した請負という性格は決して変わりません。新築と同様、慎重な検討が求められます。
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