健康・ダイエットの新常識「ロカボ」
今注目を集めつつある健康・ダイエットの新常識、「ロカボ」を知っていますか?「ローカーボ(Low Carbohydrate の略)」として、これまで糖尿病患者を中心に取り入れられてきた糖質制限を、より広く日常的に取り入れやすいように「緩やかな糖質制限」として再定義したのがロカボです。昨年からブームとなっていた糖質制限ダイエットでは、ご飯やパン、めん類などの主食となる米麦製品や、ジャガイモ・サツマイモなどのイモ類など、炭水化物(糖質)の多い食品を一切食べないといった極端な内容が多く見られました。そのため「長く続けられなかった」、「反動でリバウンドしてしまった」という声が多かったのも事実です。
そこで注目したいのがロカボ。「食・楽・健康協会」の代表理事である山田悟氏(北里研究所病院糖尿病センター長)が提唱するロカボは、あくまでも「おいしく・楽しく・健康に」続けられることを重要視しており、その最大のポイントは、糖質制限の基準を満たしていれば食事量の制限をしないことにあります。
ロカボの基準は糖質を1食20~40g、1日70~130gの摂取におさえること。これ以外のカロリー・脂質・たんぱく質などに制限はありません。コンビニで購入できるサイズのおにぎりが約30gの糖質を含んでいるので、毎食1個までは食べられるというイメージです。
ただ、慣れ親しんだ主食を減らすことはなかなか続けにくいということもあります。そこで食・楽・健康協会の協賛企業・店舗では、低糖質甘味料を活用したスイーツや小麦の外皮でつくられた低糖質のパンなど、「ロカボ」を打ち出した製品の開発・販売を進めています。
「ロカボ食」を実際に試してみた
今回編集部では、実際にロカボ食の効果を試すため、通常食を食べるA・Bのチームとロカボ食を食べるC・Dのチームに分け、食前・食後の血糖値の変化を比べてみました。■通常食チーム
・編集部A
計測1回め(食前):94
計測2回め(食後10分):134
計測3回め(食後1時間30分):128
・編集部B
計測1回め(食前):90
計測2回め(食後10分):143
計測3回め(食後1時間30分):131
■ロカボ食チーム
・編集部C
計測1回め(食前):101
計測2回め(食後10分)134
計測3回め(食後1時間30分):106
・編集部D
計測1回め(食前):78
計測2回め(食後10分)124
計測3回め(食後1時間30分):99
結果をそれぞれ比べてみると、食後1時間30分が経った計測3回めの血糖値に違いが見て取れます。通常食チームが128、131と高い血糖値を維持しているのに対し、ロカボ食チームでは106、99と食前の血糖値にほぼ近い数値を記録していました。
食後の血糖値を大きく上げる「食後高血糖」は心臓病や脳卒中を引き起こすリスクがあるといわれ、その高血糖に関わっているのが「糖質」です。今回の実験のように、食事の選び方を考えるだけで取り入れられるロカボは、美味しいものを食べたいけれど健康もあきらめたくない方にぴったりの食習慣だと言えるでしょう。