首都の玄関口として
長らく軍事拠点として繁栄

海辺

横須賀市内には浦賀港、久里浜港その他たくさんの港があり、風景もいろいろ。海辺でもバーベキューも一般的だ(クリックで拡大)

東京湾(浦賀水道)と相模湾。2つの湾に面した横須賀市のうち、今回は東京湾に面した市の中心部、横須賀中央駅、その隣の汐入駅を中心に取り上げます。三浦半島には約2万年前の後期旧石器時代には人が住み始めており、市内にも縄文時代以降の遺跡などが残されています。江戸時代には首都の玄関口として市内の浦賀に奉行所が置かれ、商業地として栄えます。その横須賀に来航したのがアメリカアメリカ合衆国海軍東インド艦隊の蒸気船2隻を含む艦船4隻。いわゆる黒船来襲です。それを機に日本が大きく変わっていくのはご存じの通りです。

 

横須賀の不動産会社

横須賀中心部の不動産会社は軍属相手が多く、英語表記が一般的。これだけで違う街に来た気になる(クリックで拡大)

その後も横須賀は首都の玄関口として発展を続けます。交通、軍事の要衝であることから、明治時代には様々な新しいものが作られます。たとえば、1866年(慶応元年)には江戸幕府により横須賀造船所が開設、1869年(明治2年)には日本初の洋式灯台観音埼灯台が点灯、1884年(明治17年)には横須賀鎮守府が置かれ、1889年(明治22年)には大船駅と横須賀駅を結ぶ横須賀線が開通、1895年(明治28年)には東京湾要塞司令部が置かれ……。横須賀は海軍を始めとする軍隊の街になっていきます。現在も横須賀市内には陸海空の自衛隊駐屯地があり、街を歩くと各隊の制服姿を見かけることもしばしばです。

 

商業施設と海、米軍基地

海辺のショッピングセンターの向うに広がるのが米軍基地。広い(クリックで拡大)

それと同時に見かけるのが米軍。戦後すぐに米海兵隊が上陸、米海軍横須賀基地司令部が発足し、現在も横須賀港に突き出した236万平米の広大な敷地には5000人以上が勤務しています。

 
ドブ板通り

観光に訪れる人も多いドブ板通り。通りのあちこちにこの地ゆかりの人たちの手形があるのも名物(クリックで拡大)

その人たちを対象に生まれたのがドブ板通りと呼ばれる商店街。京急汐入駅から米海軍ベースに向かう通りで、かつて、この通りの中央にドブ川が流れていたのが名まえの由来だとか。以前はかなりいかがわしい雰囲気もある場所だったと聞いていますが、現在はアメリカを思わせるダイナーなどの飲食店、刺繍の入ったスカジャンなどを売る店など、それらしい店も多くはあるものの、ごく一般的な商店街。とはいえ、夜になると英語が飛び交う店も多く、いささか異質な雰囲気があることは確かです。

 

海軍カレー

市内で食べるのも良いが、各種のレトルトが出ているのでお土産に買って帰るのも一興(クリックで拡大)

そうした歴史から生まれたのがご当地名物の海軍カレーにネイビーバーガー。海軍カレーは1999年(平成11年)に商工会議所が海上自衛隊の協力を経て「カレーの街」を旗揚げしたのがきっかけで広まったもので、現在では横須賀と聞くとカレーと条件反射する人もいるほどえす。もうひとつの名物、ネイビーバーガーは2009年(平成21年)にやはり街おこしのために取り上げられたもので、ドブ板通りの飲食店などで味わうことができます。

 

平坦な市街地、背後には
斜面にへばりつくように建つ住宅

横須賀中央駅周辺の商店街

横須賀中央駅近くのメインストリート。駅までは平らな土地が続く(クリックで拡大)

海と軍隊という風景とは異なる、もうひとつの横須賀の風景は急峻は丘陵地と海沿いの埋め立て地です。三浦半島はその大半が三浦丘陵という、東京の武蔵野台地、横浜の下末吉台地よりも高く、古い土地。そのため、人々は住むために古来から海際を埋め立ててきており、現在の市街地も大半は埋め立てで作られています。

 

斜面地の住宅

斜面に建つ住宅。車が入れない場所が多く、階段がつらいと空き家が増えている。撮影/菅純一郎氏(クリックで拡大)

その埋め立て地は当然、平坦ですが、問題は背後の丘陵地。横須賀で山側を見ると高いところまで家が斜面に貼りつくように建てられており、そこまでには長い階段がくねくねと続いています。これが障壁となり、横須賀では高台で空き家が増加、市は首都圏では珍しく空き家バンクを作って、解消に努めています。空き家バンクに登録されているといっても、直線距離にすれば駅から数分のところもあり、200段、300段が苦にならない人になら、お勧めかもしれません。高台ですから、眺望も抜群です。

商店街、飲食店街に公園、
芸術劇場も揃う中心街

横須賀中央駅

横須賀中央駅。背後はすぐに丘陵になっており、そこに駅ビルが建つ(クリックで拡大)

その横須賀の中心地にあるのが京急の横須賀中央駅。駅ビルの他、駅から海際を走る横須賀街道までは商店街となっており、アーケードが続く三笠ビル商店街やさいか屋、各種の飲食店などが並び、かなりの賑わい。飲食店街もあり、猥雑な雰囲気の飲み屋街もあって夜は楽しそうです。

 

中心部のタワーマンション

商店街に面して建つタワーマンション。ひときわ目立つ。あちこちに完売という掲示もあった(クリックで拡大)

現在はその商店街に面して地上38階建て、神奈川県内屈指の高さのタワーマンションが建設中。ただし、駅から3分ほどの立地もあり、2015年(平成27年)9月の完成を前に完売状態だそうです。

 
もう1棟のタワー

駅のすぐ裏手にあるもう1棟のタワーマンション。駅には近いが周辺は建物が密集したエリアらしい(クリックで拡大)

タワーでいえば、横須賀中央駅の山側、駅にはより近い場所でも1棟建設中ですが、こちらはまだまだ部屋がある様子。駅を挟んでそれほど距離はありませんが、かなり差があるようです。

 
鮮魚店店頭

地元の魚が並ぶ店先。珍しい魚も並べられており、そのあたりは産地ならでは(クリックで拡大)

商店街のある通りから少し離れたところには市役所、警察署、地方裁判所その他行政の施設が集まっており、駅周辺で大半の用事は済ませられます。海沿いには大型家電店や大型商業施設もあり、市内から買い物客が集まっています。一画にあるよこすかポートマーケットは観光客などを意識した地元産物を売る大型マーケットで、売りは海の幸、山の幸がどちらも味わえること。特に魚の安さ、新鮮さは特筆もの。バーベキューが盛んな土地でもあるそうで、材料をセットにして売られているのがこの土地らしいところです。

 

三笠公園

軍艦が名物の三笠公園。このすぐ脇から東京湾唯一の自然の島、猿島への船が出る(クリックで拡大)

また、海沿いにはヴェルニー公園、三笠公園、うみかぜ公園などの公園があり、汐入駅前には横須賀芸術劇場も。遊びに関してもあれこれ楽しめそうです。ただ、気になるのは市全体としては発展するための土地がなく、このところ、人口減少が目立っていること。その分、生活の質の向上、観光客増を図るなどとして、公園、美術館その他の観光資源の整備が進んでいます。

 

続いて気になる汐入、横須賀中央の住宅事情を見ていきましょう。

新築物件の供給は希少、
駅から遠い、高台の中古ならかなりお手頃

横須賀街道沿い

横須賀街道沿いのマンション。右は横須賀芸術劇場。規模としてはこの程度のマンションが多い(クリックで拡大)

まず、分譲住宅ですが、前述したように現在は横須賀中央駅近くでタワーマンションが建設中ですが、これはたまたま。もともと、それほど平地がない場所のため、大規模な物件はあまりありません。過去には市が開発したよこすか海辺ニュータウンが2000年(平成12年)から10年ほど断続的に100~300戸規模で供給されていましたが、それも2010年(平成22年)に完了。今後もそれほど期待はできません。

 

横須賀駅周辺

京急線汐入からは徒歩数分の場所にJR横須賀線横須賀駅があり、駅近くにもマンションが建てられている(クリックで拡大)

中古マンションも汐入、横須賀中央両駅徒歩10分圏で見ると少なく、あまり選択できません。築年は問わず、専有面積で70平米というくくりで見ると2000万円~2500万円というのが目安でしょうか。気長に探すしかないようです。また、地元のデベロッパーによる開発が多いのも特徴です。これはマンションに限らず、一戸建て分譲も同様で、地元資本が中心です。

 
バス

相模湾側から横須賀中央駅へ向かうバス。相模湾側は鉄道が走っていないため、もっぱら、バス、車利用になる(クリックで拡大)

一戸建てでは新築、徒歩20分圏で3000万円が目安。中古は立地によって極端に安い物件があり、バス便や高台の坂のある地域では1000万円を切るような物件もあります。ひとつ、注意したいのはバス便利用だと長井、林など相模湾に近いエリアまで行けてしまうほど範囲が広いこと。駅周辺であれば車はなくてもなんとかなるでしょうが、そこまでのエリアとなると車は必須です。

 
賃貸はワンルームマンションで5万円前後、2DKで7~8万円、3DKで10万円前後ですが、ファミリータイプはかなり少ないようです。

ヴェルニー公園

駅のすぐ近く、あるいは商業施設の裏がすぐ海という立地。開放的な気分になれる(クリックで拡大)

横須賀中央駅から横浜駅までは京急の快速を利用すれば約30分、品川までも約50分。途中の横浜、品川で乗り換えれば都心までもそれほど遠くない横須賀。リゾート気分、異国気分も味わえるのが面白いところです。




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