なぜ、竣工販売が増えたか?

「ザ・パークハウス晴海タワーズ」竣工現場からの眺望

「ザ・パークハウス晴海タワーズ」竣工現場からの眺望

日本政府と日銀はインフレターゲット(目標)を設定。物価上昇を引き起こそうとしている。価格が上がることで企業業績を好転させ、その利益を従業員の給料にまわせば、経済が拡大基調の循環に向かうだろうとの見立てである。いわゆるアベノミクスだ。

インフレとはモノやサービスの値段が上がり、逆に貨幣価値が下がる状況をいう。したがって価値が下がる現金を株や不動産などの資産へ振り向けることが資産形成のセオリーとなる。青田売り(工事中)が主流だったマンション分譲において、最近では竣工後も継続して販売している物件が多いのはこのような事情からだろう。デフレ時代の方程式「早期現金化=利益の最大化」が成り立たなくなったのだ。

そもそも「高額商品にもかかわらず実物が見れないなんて!」と言われがちだった分譲マンション。竣工現場の比率が高まったという点では、検討しやすい環境が整ったと捉えることもできる。以下、竣工物件見学の具体的なメリットをご紹介する。

竣工見学のメリット1
実際の日照、眺望が確認できる

廊下と玄関窓

廊下と玄関窓

2014年首都圏新築マンション契約者動向調査(リクルート住まいカンパニー調べ)において、購入重視項目のなかで「住戸の向き」は第6位。約6割(59.9%、重複可)もの人が重視したと答えている。

「住戸の向き」とは、具体的には日当たりや眺望、隣接する建物との関係などである。近年人気のタワーマンションであれば、何が見えるかはもちろん気になるところであるし、中低層マンションであっても前面の日影やプライバシーの点で住戸の向きは押さえて置くべきポイントとなるが、実物ならそれが叶う。


主寝室

主寝室


上の画像のように、玄関に設けられた小窓や主寝室の窓からの光の入り方が理解できる利点は大きい。

竣工見学のメリット2
標準仕様が確認できる

洋室

洋室

仮設のモデルルームは、暮らしのイメージを膨らませてもらえるよう家具や家電を取りそろえ、「これぞ夢のマイホーム」といった演出がなされている。プロのインテリアコーディネーターが見栄えのするジャストサイズのオーダー家具をセッティングするのである。

加えて、モデルルームは青田売り(工事中)の利点である「オプション(有償無償)」を活用するケースがほとんど。その点、実物(竣工済)は目の前にあるものが購入対象となるため、内装に惑わされることなく判断できる。柱や梁など変えることができない部分を冷静にチェックできそうだ。

上の画像は2階住戸の洋室。開口上部に梁が出ない工法(三井住友建設のスキット3)により、ハイサッシュが実現。実物であればこそその効用が実感できるというものだ。

竣工見学のメリット3
共用部を確認できる

エントランスロビー

エントランスロビー

ここ数年、マンション購入検討者は資産価値を重視する傾向が強まっている。資産価値は立地によることが大きいが、建物のグレードも当然のことながら無関係ではない。とくに、第一印象を左右する外観やエントランスは重要だ。これらは個々人の判断で変えることができないため、見落とせないチェックポイントである。

工事中の段階では、CGパースなどでしか判断することができないそれらが、竣工見学であれば可能である。長年マンションつくりを経験したことがある人でさえ、実際出来上がったときの印象が異なるということが珍しくない。なかでも、規模の大きな建物はその傾向が強いのではないだろうか。

画像のように、ステンドグラスを活用したロビー空間では、インテリアデザインと植栽の緑の組み合わせが体感できる。図面だけではなかなか理解しにくいポイントである。

実物を見ておけば、比較検討がしやすくなる!?

上記3つのメリットを実感できれば、マンション選びの見方は随分と違ったものになるだろう。現地調査の仕方、標準仕様や共用部の確認など。

マンション購入を検討する際は、異なる個性の物件を見ると良いだろう。超高層と低層、大規模と中小規模。それぞれ良しあしが違って自分の好みが自然と明確になるかもしれない。さらに、それらのラインナップに竣工物件も加えると理想的。判断基準が養われ、冷静に決断できる可能性が高まるのではないだろうか。

画像は、1番上を除きすべて「ザ・パークハウス新川崎」


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