2015年8月のオススメ展覧会・美術展
夏休みの美術館は、大人も子どもも楽しめる楽しい展覧会が多いもの。避暑も兼ね、家族でお出かけしてみませんか?フランシス・ピカビア 《「本日休演」の楽譜の口絵》 1926年 紙、リトグラフ フランス国立図書館 Bibliothèque nationale de France, Paris
◎2015年8月のオススメ展覧会・美術展-目次-
Bunkamuraミュージアム(渋谷):エリック・サティとその時代展
三菱一号館美術館(丸の内):画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
弥生美術館・竹久夢二美術館(根津):ファッション・イラストレーター 森本美由紀展
目黒区美術館(目黒):村野藤吾の建築-模型が語る豊饒な世界
大分県別府市 市内各所: 別府現代芸術フェスティバル2015「混浴温泉世界」
多くの芸術家に愛された、自由でいて、そして偏屈な作曲家
Bunkamuraミュージアム(渋谷):エリック・サティとその時代展
エリック・サティ(作曲)、シャルル・マルタン(挿絵) 『スポーツと気晴らし』より《カーニヴァル》 1914-23年 紙、ポショワール フランス現代出版史資料館 Fonds Erik Satie © Archives de France / Archives IMEC
《3つのジムノペディ》や《ジュ・トゥ・ヴー》などのピアノ曲で知られるエリック・サティ。バレエが好きな方にはバレエ・リュスの《パラード》や、映画が好きな方にはルネ・クレールの《幕間》の音楽を手がけた人として知られています。独特な和音の響きが印象的な彼の音楽は、いま聴いても新鮮な印象。
入ったばかりの軍隊になじめず、わざと気管支炎にかかり除隊したり、信者は本人のみの教団を結成したりなど、エキセントリックな面も見せるサティですが、ドビュッシーやラベルなど同時代の音楽家に多大な影響を与えるほか、彼を信奉するミヨーやオネゲルら若手作曲家を中心に「フランス6人組」が結成されるなど、サティの音楽は多くの人たちを惹きつけてきました。
エリック・サティ(作曲)、シャルル・マルタン(挿絵) 『スポーツと気晴らし』より《カーニヴァル》 1914-23年 紙、ポショワール フランス現代出版史資料館 Fonds Erik Satie ©Archives de France / Archives IMEC
その音楽はジャンルを超え、芸術全体にも大きな影響を与えました。たとえばパブロ・ピカソ、ジャン・コクトーとともに手がけたバレエ・リュスの《パラード》。映画《幕間》には、マルセル・デュシャン、フランシス・ピカビア、マン・レイが参加しました。とくにマン・レイはサティをモチーフにその後も多くの作品を残しています。サティの音楽と思想は、多くの芸術家たちを魅了していたのです。
この展覧会は、サティが同時代の芸術家にどのような影響をあたえたのかを、彼の音楽、そして芸術家たちの作品を通じてたどっていくもの。サティが足繁く通ったモンマルトルで活躍していたトゥールーズ= ロートレックやダダのアーティストまで、幅広い作品を紹介し、彼の側面を浮かび上がらせます。会場にはジムノペディなどサティのピアノ曲がBGMとして流れています。
■展覧会DATA
展覧会名称:エリック・サティとその時代展
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム
会期:7月8日(水) ~ 2015年8月30日(日)
開館時間:10:00~19:00
※入場は閉館の30分前まで
※金曜・土曜は21:00まで開館
休館日:会期中無休
Web: http://www.bunkamura.co.jp/museum/
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