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2015年8月のオススメ展覧会・美術展(2ページ目)

Bunkamuraミュージアム(渋谷)のエリック・サティとその時代展、三菱一号館美術館(丸の内)の画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル、弥生美術館・竹久夢二美術館(根津)のファッション・イラストレーター 森本美由紀展、目黒区美術館(目黒)の村野藤吾の建築-模型が語る豊饒な世界、大分県別府市市内各所の 別府現代芸術フェスティバル2015「混浴温泉世界」をご紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド


国境を越えて人気を集める天才絵師の画業
三菱一号館美術館(丸の内):画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル

河鍋暁斎《惺々狂斎画帖(三)》(20図のうち) 明治3(1870)年以前/個人蔵undefined※後期のみ展示

河鍋暁斎《惺々狂斎画帖(三)》(20図のうち) 明治3(1870)年以前/個人蔵 ※後期(8月4日~9月6日)のみ展示


浮世絵師の歌川国芳にわずか6歳で入門し、9歳からは狩野派にて修行、その圧倒的な画力で人気を集めた幕末の絵師、河鍋暁斎。ときにはユーモラスに、ときには皮肉を凝らした作品は物議を醸すこともありましたが、その名は日本のみならず海外にも轟いていましたした。

その彼に弟子入りし、日本画の技術を修練したのが、日本政府に招聘されてやってきたイギリス人建築家、ジョサイア・コンドル。明治の鹿鳴館、三菱一号館など数々の建築物を設計し、若くして技術、名声のあったコンドルは、上野博物館(のちの東京国立博物館)の本館も設計していた、いわばエリート。彼は暁斎の画力に感動し、当時50歳の暁斎の門をたたきました。
この時コンドルは29歳。二人は師匠と弟子という関係でしたが、写生旅行に二人で出かけたり、夜通し語り合うなど、国境や年齢の枠を越え、深い友情を育みました。

河鍋暁斎《美人観蛙戯図》 明治4(1871)年以降/河鍋暁斎記念美術館蔵

河鍋暁斎《美人観蛙戯図》 明治前半/河鍋暁斎記念美術館蔵



この展覧会は、若く才能にあふれたコンドルが異国の地で魅了された河鍋暁斎との交流や暁斎の画業を、国内外の名品130点の展示から読み解くものです。型にはまらない暁斎の遺した作品は、錦絵や挿絵など多種多様。いきいきとした美人画やかえるなどの動物画、緻密な描写など作品一枚ごとに見どころたっぷり。豊かな想像力と画力が織りなす奇想天外な作品などを楽しめる展覧会です。また、コンドルの遺した設計図や、師匠の技をしっかりと吸収し、日本をより深く知ることとなったコンドルの作品も展示。二人の絆も感じ取ることができます。



■展覧会DATA
展覧会名称: 画鬼・暁斎—KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
会場:三菱一号館美術館
会期:2015年6月27日(土)~9月6日(日)*展示替えあり
開館時間:10:00~18:00
※金曜日および会期最終日平日20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
※8月31日は開館
Web: http://mimt.jp/kyosai/

次のページでは弥生美術館・竹久夢二美術館(根津):ファッション・イラストレーター 森本美由紀展を紹介します。

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