輸入車/注目の輸入車試乗レポート

ベントレーコンチネンタルGTの“進化”に試乗

第2世代に進化して初のマイナーチェンジを受けたコンチネンタルGT。その進化を確かめるべく、世界一美しい道とも呼ばれるアトランティック・オーシャン・ロードでW12からV8まで一気に試乗しました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

内外装のリファインとW12エンジンの改良

ベントレーコンチネンタルGT

W12を積むコンチネンタルGT。ラインナップはW12のコンチネンタルGTとGTスピード、V8のGT V8とGT V8S。それぞれにクーペとコンバーチブルを用意する


第2世代のデビューから4年。ベントレーは、基幹モデルのコンチネンタルGTシリーズに初のビッグマイナーチェンジを施した。その進化の度合いを確かめるべく向かったのはノルウェーの北岸地域。世界一美しい道と評される、アトランティック・オーシャン・ロードで国際試乗会が開催されたのだ。

MY16から適用されるマイチェンポイントは3つ。バンパーまわりなどエクステリアディテールのイメージチェンジと、インテリアディテールのブラッシュアップ、そしてW12気筒エンジンのパワーアップと効率化、だ。

ベントレーコンチネンタルGTスピード

W12を積むハイパフォーマンスバージョンのコンチネンタルGTスピード。フロントは新デザインのバンパーを採用、ラジエターシェルを小型化、さらにフェンダーを強調したデザインに


誰もが見てわかる変更点は、ウィング形状を取り入れたフロントバンパーだろう。グリル類をクロームに輝かせてみれば、相当に派手な顔つきになる。Sやスピードのように、ブラックアウトすれば、かなりスパルタンな装いだ。個人的には、ちょっとやり過ぎのようにも思えたが、これくらい変更しなければ喜んでくれそうにない、巨大なマーケットが、確かに我が国のお隣には存在する。

バンパーデザインの変更に伴って、実は、それ以外のマスクまわりのディテールも、現オーナーでさえ気づかない程度の微妙な変更を受けた。メイングリルはわずかに大きくなって、ライトまわりのボディラインも変わっている。その結果、ウィング風バンパー付きフロントマスクをいっそう強調する、メリハリの効いた顔立ちになった。フロントフェンダーサイドには、ミュルザンヌと同じようなサイドベントも付け加えられている。

ベントレーコンチネンタルGTスピードコンバーチブル

コンチネンタルGTスピード コンバーチブル。GTスピードとGT V8Sはリアディフューザーの形状を変更した


リアから眺めた印象も、ちょっと違うように見えるはず。空力性能を改善すべく、トランクリッドが少しつまみ上げられたからだ。GTスピードではディフューザーのデザインも変わった。そのほか、ボディカラーに3つの新色と、新デザインのアロイホイールも2種類、追加されている。

ベントレーコンチネンタルGTスピード

コンチネンタルGTスピードには小ぶりのダイヤモンドキルト模様のシートを標準装備。通常モデルにはフルーティング・パターンと呼ばれる縦溝模様のシートが備わる


インテリアに目を移せば、基本的なデザインやレイアウトに変更は見受けられない。けれども目を凝らせば、パドルシフトやギアセレクターレバー、時計、ダイヤルなどが、意匠変更を受けた。また、人気のマリナーオプションだが、シートデザインを変更(細かくなったダイヤモンドキルトステッチや細くなった縦リブデザイン)している。
ベントレーコンチネンタルGT

W12(6L ツインターボ)エンジンは出力を高めつつ燃費を最大5%向上。複合モード燃費を14.1L/100km(約7.1km/l)とした


改良されたW12エンジンのパワーとトルクは、それぞれ15psと20Nmアップし、590ps&720Nmという堂々たるスペックに達している。もっとも、それより注目すべきは、気筒休止システムを導入したこと。これによって5%程度の燃費向上を見込んでいる。
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