上げ下げ窓(ダブルハング・ウインドウ)
上げ下げ窓またはダブルハング・ウインドウと呼ばれる窓
サッシ部分をそれぞれ上下させて風を取り入れますが、任意のところで停止させることが可能です。上げ下げ窓に格子(ケーシング)を付けると、より輸入住宅らしさが高まります。これはオプションで追加できる窓が多いようです。
また、サッシ部分は室内側に倒れるようになっているので、ガラス面の拭き掃除は簡単です。網戸は外側に付きます。なお、下の窓だけ開閉できるタイプをシングルハング・ウインドウと言います。
滑り出し窓
縦滑り出しまたはケースメント・ウインドウと呼ばれる窓。右に開くものと、左に開くものがある
縦滑り出し窓(ケースメント・ウインドウ)は、右に開くか、左に開くかを選択できるので、窓の位置や使いやすさで選びましょう。窓が開く角度は約90度(横滑り出し窓は約40度)が最大で、好きな位置で固定したり、ロックすることが可能。上げ下げ窓同様に、室外側のガラス面に部屋の中から手が届くので、拭き掃除がしやすくなっています。網戸は内側に付きます。
輸入住宅の窓は性能が高く機能的
輸入住宅の窓には、なぜ、引き違い窓が少ないのでしょうか。デザイン面の理由もあるでしょうが、加えて、工法と窓の性能が関係しています。輸入住宅の多くは、2×4工法など面で支える構造で建てられます。面で支えるということは、壁の面積が極端に少なくなると、構造的に弱くなってしまうことになります。だからこそ、むやみに開口部を設けるのは禁物。とはいえ、必要な通風採光は確保できます。引き違い窓より幅の小さな縦長の窓を上手に組み合わせながら、明るく開放的な家づくりが可能です。
また、上げ下げ窓や滑り出し窓など、輸入住宅の窓は気密性の高いことが特長です。これは、輸入住宅の多くが厳しい気候のもとで建築され、育まれてきたことと無縁ではないでしょう。
輸入住宅の窓のほとんどは、気密性が高く、ガラス部分が複層ガラスです。枠の部分は屋外の気温に影響されにくい仕様になっており、木製のほか、樹脂(室内側)とアルミ(屋外側)など異素材を組み合わせたものが一般的。このように、冬暖かく、夏涼しい家にするため、断熱性とともに、気密性も高い窓が採用されてきたのです。
次ページでは、窓と輸入住宅らしいデザインの関係について見ていきましょう。