さらにダブルで運用する体制を確保したい
もう2つの「稼ぎ」は運用です。運用といえば株とか債券とか為替の売買がイメージに浮かびますが、「うちは夫が興味があるけど私はないなあ」ということが多いと思います。一般的には、夫婦ともに投資や資産運用に関心が高い、ということはあまりなく、どちらかが興味があるがどちらかはあまり興味がないということになりがちです。
この場合、興味があるほう(仮に夫とする)は証券口座を開設し株を売買するが、興味がないほう(仮に妻とする)は定期預金くらいしか持たないまま、というように役割分担がされます。
ところが、最近では「個人」にひもつく投資用口座が増えて生きています。
NISA(少額投資非課税制度)は個人ごとにひとつだけ口座が開設でき、年100万円まで運用益が非課税になる投資が行えます。夫婦で2口座をもてば年200万円まで投資が有利にできるはずが、ひとりだけ投資をしている限りは有効活用できません。(夫が妻名義の口座で投資の売買を行うのはNGです)
会社が確定拠出年金(日本版401k)を採用している、あるいは個人型確定拠出年金に入ることができる場合、これも個人名義で口座を作ります。確定拠出年金も運用益は非課税ですから、上手に運用できた人ほど有利になります。しかし、会社の確定拠出年金の場合、退職金が原資ですから「妻が投資に詳しくないので、夫のボクが代わりに売買するよ」ということはNGです。
投資というとばりばり売り買いするような印象がありますが、実はある程度ほったらかしでも運用は行えます。むしろ、会社員の場合、1月くらいそのままにしておいても差し支えないくらいの投資を行えば十分であり、そうした投資なら夫婦がそれぞれ投資をしてもいいわけです。
共働きの次のステージとしての「ダブルで運用」
共働きが可能であれば共働きをしていくことは、多くの人の「キホン」となってきたと思います。しかし、「ダブルで投資」はまだまだ実現していない夫婦のほうが多いと思います。あるいは「ダブルで投資していない」という状況にあるカップルのほうが多いかもしれません。投資の力を借りる、ということは短期的には元本割れする可能性がありますが、中長期的には経済の成長を自分のお金の成長に変えることができる、ということです。そしてその利回りは定期預金だけで管理するより高くなります。
せっかく得た「共稼ぎ」の力を有効に活用して、どんどん貯める体制を作っていくことが必要です。そしてさらにどんどん増やす体制のためにも「ダブルで投資」についても考えてみてほしいと思います。
夫婦のお金が「クアッドコア」に対応していけるといいですね。