全て手作り! 釜石「こすもす公園」
三陸沿岸の釜石市内陸部の甲子(かっし)地区に、色鮮やかなデザインのユニークな公園があります。名前は「こすもす公園」と言います。広さはなんと3000平方メートル。巨大な壁画をはじめ、滑り台もなんだかユニークな形。地面はチップでフワフワ、登ることが出来る壁(クライミングウォール)があったり、東屋(あずまや)の上には展望台があったりと、子供だけではなく、大人もワクワクしてしまう場所です。子供たちが笑顔で過ごせる場所を
この公園は、東日本大震災の翌年、2012年5月5日の子供の日にオープンしました。もともとコスモス畑だった場所を公園にしたいと思ったのは、隣接する農家レストラン「創作農家こすもす」オーナーの藤井サエ子さんと、夫で地元の神社の宮司をされている藤井了(さとる)さんご夫妻です。東日本大震災で藤井さん達も被災し、農家レストランは数ヶ月閉めることになりました。しかし、釜石市甲子は海から30分ほど内陸にあるため、津波の被害は免れました。自分たちに何ができるだろう。そう思った藤井さん達は、あるとき、孫の友達が言った「(津波で)9才で死んでしまうかと思った」という言葉に衝撃を受けたと言います。
震災後、地元の公園には仮設住宅が建てられ、子供達がのびのび遊ぶことが出来る場所が減っていました。また、知り合いの保育施設の子供達が、仮設住宅で暮らす人たちに遠慮して、声をたてないように地域を散歩している……。そんな話を聞いた藤井さんご夫妻は、子供達が笑顔になれる場所を作ろうと考え、所有しているこすもす畑を公園にすることを決意したのです。