選挙権年齢を18歳へ引き下げundefinedその利点と責任

選挙権年齢を18歳へ引き下げ その利点と責任

2015年通常国会で選挙権の年齢を18歳に引き下げる公職選挙法の改正案が成立した。これにより、1年後より行われる選挙において18歳から19歳まで約240万人の投票が可能となる。
この選挙法改正の利点と責任について考えてみる。

投票結果が政策に影響を与える「民主主義」

かつてスターリンは、
「誰に票を入れるかではない。誰が票を数えるかだ」
と自らが支配する社会主義体制について自虐したが、民主主義は(あくまで原則としてだが)投票が多かった意見が反映されやすい政治制度である。

そんな民主主義制度には副次的特徴がある。投票結果がその後の議員の行動にも影響を与える点だ。

「落選すればただの人」と言われるように、議員にとって落選ほど恐ろしいものはなく、民主主義制度には、議員が投票してくれた人の代弁者(利益代表)となりやすいという構造的性質もある。
いまの日本で高齢者優遇の政治が行われているのも、投票者の大部分を高齢者が占めることによる。

そんな中、投票年齢を2歳引き下げ、18歳から可能にする法改正が行われた。

若年層の政治参加を促進する改正ではあるのだが・・・

黙って待っているだけでは社会は変わらない。
民主主義において政策が投票結果に左右される以上、若者に住みやすい社会にするには、若者自ら投票に参加していかなければならない。

選挙権の年齢が18歳にまで引き下げられ、新たに政治参加へのチャンスを手にする約240万人は、高齢者偏重となっている現状を変えるため、自ら政治に働きかけるチャンスを手にすることになる。

しかしこうした改正方法が選択されるその一歩手前に戻れば、若年層自体が持つ問題に気づかされる。

本来は投票率上昇に取り組まれるべき

日本の選挙では若年層になるほど投票率が低く、さらに少子化の影響が加わることで、投票全体に占める若年層の割合が加速度的に低下している。

ただしこの問題は切り分けて考えなければならない。

少子化によって若年層の人口が少ないのは彼らには全く問題はないが、「投票率」が低いことは彼ら自身にも問題があるからだ。

つまり真の問題は若年層における政治への関心の薄さにある。

よって本来であれば若年層の投票率改善策が先であるべきだが、様々な働きかけにもかかわらず投票率は一向に上がらず、結果として投票年齢の引き下げが選択された。