土地購入/土地価格・地価・路線価

2015年路線価は大都市圏の上昇が一部で減速(2ページ目)

2015年は相続税の課税強化でスタートしましたが、相続時における土地価格の算定基準となる路線価が7月1日に発表されました。大都市圏を中心に地価の上昇傾向が続いているものの、一部ではその勢いが弱まっているようです。今年の路線価の傾向を確認しておくことにしましょう。

執筆者:平野 雅之


都道府県庁所在地の最高路線価は21都市で上昇

都道府県庁所在地の最高路線価では、東京都中央区銀座5丁目(銀座中央通り)が14.2%の上昇、名古屋市中村区名駅1丁目(名駅通り)が11.5%の上昇、広島市中区胡町(相生通り)が10.2%の上昇、大阪市北区角田町(御堂筋)が10.1%の上昇でした。

それ以外にも岡山市の9.6%、金沢市の9.3%をはじめ、横浜市、さいたま市、京都市、福岡市が5%以上の上昇、札幌市、仙台市、福島市、富山市、静岡市、岐阜市、大津市、神戸市、奈良市、松山市、那覇市が5%未満の上昇となっています。

上昇が前年の18都市から21都市、横ばいが8都市から14都市に増え、下落は前年の21都市から12都市になりました。また、5%以上の下落だったのは水戸市(マイナス5.8%)だけで、前年の4都市から1都市まで減りました。

その一方で、秋田市、水戸市、宇都宮市、山口市、徳島市、高知市、大分市は前年よりも下落幅が拡大したほか、山形市と新潟市は前年の横ばいから今年は下落へと転じています。上昇が続いている都市でも、横浜市、岐阜市、奈良市、那覇市は前年よりも上昇幅が小さくなっており、地価の上昇傾向に勢いはみられません。

全体的には上昇傾向あるいは下げ止まり傾向が続いているものの、地域によってはそれが減速しているといえるでしょう。


税務署管内別では上昇、横ばい地点が6割に

全国の524税務署のうち、前年と比較が可能な523管内における最高路線価地点の動向では、上昇が前年の150地点から165地点に増え、横ばいを含めた地点数の割合は約60%になりました。とくに東京国税局管内では、上昇または横ばいの地点が95%を超えています。

最高路線価地点の価格変動状況

このうち2ケタの上昇となったのは、倶知安(北海道)の28.0%を筆頭に、京橋、麻布、四谷、芝(以上、東京都)、名古屋中村(愛知県)、天王寺、阿倍野、北、大淀(以上、大阪府)、岡山西(岡山県)、広島東(広島県)の12税務署管内における最高路線価地点です。

東京都内では、全48税務署管内における最高路線価が、横ばいだった日野を除いてすべて上昇となりました。また、神奈川県、埼玉県、大阪府、京都府の税務署管内では下落がなく、愛知県の税務署管内では新城を除いていずれも上昇または横ばいとなっています。

その一方で、熊本国税局(熊本、大分、宮崎、鹿児島)の税務署管内における最高路線価では、7年連続して上昇がゼロとなるなど、地価回復への動きがみられない地域もあるようです。


全国の最高路線価は30年連続で……

全国の最高路線価は、今年も銀座5丁目(銀座中央通り:鳩居堂前)であり、これで30年連続となりました。前年よりも14.2%上昇し、1平方メートルあたり2,696万円(1坪あたり8,912万円)です。

ピーク時の1992年(1平方メートルあたり3,650万円)と比べて、その4分の3程度の水準ですが、銀座4丁目側の三越銀座店前および和光本館前も同額で並んでいるため、近いうちに首位の交代があるかもしれません。


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