流れ星が光る場所
流れ星は、夜の地球のスペクタクル
流れ星が現れる場所。それは、雲よりも上ですが、宇宙よりはちょっと手前です。具体的には高度100kmあたり。
飛行機は地上から約10km上空を飛び、国際宇宙ステーション(ISS)は高度約400kmを飛行しています。地球から月までの距離は約38万kmです。それぞれの値をくらべてみると、流れ星が地球の表面からそう遠くはないところで光っていることがわかります。
流れ星のモトとは、宇宙空間にある塵
流れ星の正体は、宇宙空間にただよう直径数ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒。ずいぶんと小さなチリが閃光を放つとは驚きです。ですが、チリの粒そのものが発光するわけではありません。とても小さなチリが猛スピードで地球の大気に飛び込み、大気との摩擦により光を放つ現象を、私たちは流れ星として見ているのです。流れ星が一日に流れる個数
実は一日に無数の流れ星が流れています。
地球に降り注ぐ2兆個の流れ星を、地球上の全人類でシェアしようなんてことを考えた場合、世界の人口を72億人として計算すると、
2兆÷72億=277.77……
1人あたり277個の流れ星を割り当てることができ、流れ星に願いをかけるチャンスが1日に277回もあることになります。
たくさんの流れ星が見られる「流星群」
流れ星の多くは散発的なものですが、毎年決まった時期に空の一定方向(放射点)からたくさんの流れ星が出現します。これが「流星群」です。流星群は、一般的に放射点のある星座の名前で呼ばれています。たとえば「ふたご座流星群」の場合は、放射点がふたご座にあるということです。けれど、ふたご座の方向から流星が飛び出してくるように見えるだけで、この流星群の生まれた場所がふたご座にあるわけではありません。流星群の故郷は彗星です。
彗星が太陽に接近する際、自らチリを放出して軌道上にチリの帯をつくります。そのチリの帯の中を地球が通るとき、チリ粒子の群れが地球の大気に飛び込んできて流星群が出現します。
国際天文学連合(IAU)の総会において、2012年8月までに確定した流星群の数は95! ということは、数日おきに極大日(流星群の活動がピークになる日)をむかえていることになりますが、実際は流れ星の出現数が多い流星群とそうでないものがあり、毎日が「流星祭り」とはいかないのが残念です。
多くの流星群のうち、活動が活発なものをリストにしました。なかでも「しぶんぎ座流星群」「ペルセウス座流星群」「ふたご座流星群」は三大流星群と呼ばれ、毎年たくさんの流れ星を出現させることで知られています。
おもな流星群の年間リスト
「流星群名」オススメ度(☆3つが最高)出現期間/極大日
「しぶんぎ座流星群」☆☆☆
1月1日~1月7日頃/1月4日頃
年のはじめを飾る流星群です。新年の抱負を流れ星にたくしましょう。
「4月こと座流星群」☆
4月15日~4月25日頃/4月22日頃
しぶんぎ座流星群以来の主要流星群ですが、流れ星の出現数はあまり多くはありません。
「みずがめ座η(エータ)流星群」☆☆
4月25日~5月17日頃/5月6日頃
5月の大型連休最後にピークをむかえます。この流星群の故郷は、有名なハレー彗星です。
「やぎ座α(アルファ)流星群」☆
7月3日~8月15日頃/7月29日頃
夏の流星観察のスタートを切る流星群。流星の速度がゆるやかなのが特徴です。
「みずがめ座δ(デルタ)流星群」☆
7月12日~8月19日頃/7月27日頃
やぎ座α流星群と同時期ですが、流れるスピードはやや速く、暗い流星が多いようです。
「ペルセウス座流星群」☆☆☆
7月17日~8月24日頃/8月13日頃
夏休みの時期と重なるため、注目度の高さは年間1位といっていいでしょう。
「はくちょう座κ(カッパ)流星群」☆
8月3日~8月25日頃/8月20日頃
放射点のあるはくちょう座は夏を代表する星座で、ひと晩中地平線より上にいます。
「10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)」☆
10月6日~10月10日頃/10月8日頃
平年は出現数が少ないものの、13年ごとに大出現のチャンスがあるダークホース的存在です。
「オリオン座流星群」☆☆
10月2日~10月30日頃/10月21日頃
みずがめ座η流星群と同じくハレー彗星が母天体。オリオン座が空高く昇ると見やすくなります。
「おうし座南流星群」☆
10月15日~11月30日頃/11月5日頃
放射点がおうし座の南と北に分かれていて、それぞれ南群・北群とも呼ばれています。
「おうし座北流星群」☆
10月15日~11月30日頃/11月12日頃
南も北も、流れ星のスピードはゆったりとしていて、出現数は少なめです。
「しし座流星群」☆☆
11月10日~11月25日頃/11月18日頃
2001年に日本で1時間あたり1000個を超える大出現となりましたが、近年の出現数は少なめです。
「ふたご座流星群」☆☆☆
12月5日~12月20日頃/12月14日頃
毎年ほぼ一定して多くの流星が見られ、ひと晩に見られる流星数としては年間最大といえるでしょう。
「こぐま座β(ベータ)流星群」☆
12月17日~12月25日頃/12月22日頃
1年の最後をしめくくる流星群。目立った出現を見せない年もあれば、突発的な出現を見せることもあります。
ここに記した出現期間は一般的な日付で、期間中に毎日流星が見られるわけではありません。また、極大日(活動のピーク日)は毎年一定ではなく、年によって変化します。さらに、極大となる時刻が夜とは限りませんから、極大の日時と見やすい時間帯(見頃)がズレる場合もあります。
流星群の時期がきたら、国立天文台のホームページや天文誌、ニュースサイトなどで最新情報をチェックするようにしましょう。
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