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Wii Uがスプラトゥーンの足をひっぱっている(2ページ目)

任天堂が発売した、オンライン対戦をメインコンテンツとしたWii U用の新作サードパーソンシューティング(以下TPS)「スプラトゥーン」。大きな話題になりましたが、実際どのくらい売れているのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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Wii Uはそれ程売れていない?

スプラツゥーンの図

スプラトゥーンは人気ですが、今のところ、プラットフォームの勢いを変えるような状況には至っていません

スプラトゥーンがこれほど人気があると、さぞかし本体のWii Uも売れているんだろう、と思うかもしれませんが、実はWii Uの販売は思ったほど牽引していません。もちろん、まったく効果が無かったわけではありません。スプラトゥーン発売の前の週に比べて、スプラトゥーン発売週はWii Uの販売台数は2倍以上の伸びを記録しています。しかし、元々の売れている数が少なすぎるのです。

スプラトゥーン発売前週が約7千台、スプラトゥーン発売週が約1万6千台。ゲームハードが勢いをつけていくというのは、年末などの商戦期であれば10万台、20万台という単位、そうでなくても数万台が毎週ポンポンと売れていく状況です。7千台が1万6千台になっても、プラットフォームの勢いはほとんど変わらず、焼け石に水、といったところでしょう。


Wii Uが足をひっぱっている

スプラトゥーンの図

単にWii Uの在庫が少ないということだけではなく、人気の無いハードをひっぱる大変さという側面も、当然あります。

しかし実は、Wii Uはスプラトゥーン発売後、店頭でやや品薄気味になりました。スプラトゥーンとWii Uを買おうとしたら、スプラトゥーンだけでなくWii Uも売り切れていた、なんて人もボチボチいるんじゃないでしょうか。たいして売れてないのに、売り切れなの? と思うかもしれません。そしてそれはその通りで、たいして売れてもいないのに、売り切れなのです。つまり、流通在庫がものすごく少ないのです。長期間にわたって人気が出ていないWii Uの脆弱な流通状況が露呈した格好となりました。

1つ面白い現象としては、スプラトゥーン発売週で2倍程度に上がったWii Uの販売水準が、翌週も、翌々週もそこから落ちていないことです。なんなら、少し上がっているぐらいなんですね。これは、Wii Uが売り切れていてあきらめていた人が、ちょっと待って近所のお店に入荷したタイミングで買っているということがまず考えられますし、スプラトゥーンとWii Uを一緒に買っている人の割合が増えている、という言い方もできます。

スプラトゥーンはWii Uに大きな波を呼ぶような力にはまだなっていませんし、小さなチャンスすら、Wii U自身の勢いのなさが潰している状況ですが、一方で、ジワジワと浸透させていく魅力があることも事実です。
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