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強くて怖いだけじゃない 遠藤憲一が演じた人たち

何本ものドラマに登場しながら、すべての作品で圧倒的な存在感を見せる遠藤憲一。どんな風に演じてきたのでしょう。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

『ヤメゴク』『Dr.倫太郎』『不便な便利屋』『ちゃんぽん食べたか』など、連ドラを掛け持ちし快進撃を続ける遠藤憲一。その演技にしびれている人は男女を問わず実にたくさん。いったいどんな役を演じているのでしょう。

 ユーモアを交えて多彩な癒しを見せる2人の医師

『Dr.倫太郎』で演じた摂食障害を持つ精神科医の荒木重人は、堺雅人演じる主人公を診察する聞き上手で大らかな人物。堅苦しい専門用語や教科書通りの言葉ではなく、日常会話をするように自然な雰囲気で相手を包み込みます。

誰でも弱い部分がある、誰でも心を壊すことがある、それは特別なことじゃない。そんなメッセージを倫太郎の優しさだけでなく荒木重人の優しさからも感じました。 優しさのさじ加減に失敗すると、作品がつくりものっぽい雰囲気になりますが、そうさせないのが遠藤憲一。心地よい優しさをバランスよく見せました。

『ドクターX ~外科医・大門未知子~』では、気弱な外科医である海老名 敬役でまったく新しい遠藤憲一を見せました。顔を真っ赤にして怒り、おいおい泣いて喜ぶ。冷静沈着、気骨稜々の印象が強い遠藤憲一は消滅しているのに、まったく違和感なく演じています。そして、予想外の仕打ちに顔を真っ青にする場面が多かったことも印象的です。

気弱なくせに上昇志向が強く、姑息な匂いもするのですが、「御意」を心の底から発する純粋な姿勢は、どこか憎めない人物として作品を盛り上げました。

人生を謳歌する市民の喜怒哀楽

『ちびまる子ちゃん』の登場人物のひとりである永沢君が主役のドラマ『永沢君』。清水市立桜中学を舞台に、剃り込み頭のパンチパーマで漫才研究会会長の尾形じんぺいを熱演した遠藤憲一に、誰もが驚き笑いました。

『不便な便利屋』では顔をクシャクシャにして笑う便利屋を演じました。強面の長身でスリムな遠藤憲一の体型は怖い人を演じるには打って付けですが、コメディでも新鮮な面白味を満開させます。ハチャメチャにはしゃぐ姿は、観ている方に幸せのカタチをちょっと考えさせ、幸せへの感度を高めてくれます。それにしてもワケアリが似合いすぎます。

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