昆虫図鑑・科学絵本の人気おすすめ10選
子どもたちが大好きな、虫。その虫の世界を子どもと一緒に満喫したいという気持ちと、どうしても苦手・できれば避けて通りたい…という生理的な訴えの間で揺れるママやパパ。また、虫の苦手な子も最近増えているとか。苦手なら無理をする必要はないとは思いますが、それでも子どもが好きなことですから、せっかくなら楽しみたいですよね。
とはいえ、図鑑でさえ開いた瞬間パタン! と閉じたくなることもあるのが実情という方も多いよう。そこで今回は、そんな方でも「虫の世界も案外悪くないかも」と思うきっかけとなりそうな、図鑑と虫をテーマにした科学絵本を選んでみました。もちろん、虫好きにも堂々とおすすめできるきちんと作られた本ばかりですので、安心して親子で手にとってみてください。
ちなみに、虫に少しずつ慣れていきたいというときには、低年齢向けのイラストで描かれた図鑑や、科学絵本から開いてみるのがおすすめですよ。
<目次>
ムシ初心者にもおすすめ! 分かりやすく美しい
『昆虫』新版DVD付(小学館の図鑑 NEO)
『昆虫』新版DVD付(小学館の図鑑 NEO)
見やすいだけでなく、自然の色が鮮やかに映し出されています
ドラえもんがナビゲートしてくれる付録のDVDは、なんと80分のボリューム! 中でもカブトムシ対クワガタの戦いは大人気で、家族で楽しめます。
【書籍データ】
書名 昆虫 新版DVD付(小学館の図鑑 NEO)
指導・執筆 小池啓一, 小野展嗣, 町田龍一郎, 田辺力
出版社 小学館
もしも突然ムシを飼うことになったら……
頼りになる『飼育と観察』(小学館の図鑑 NEO)
『飼育と観察』(小学館の図鑑 NEO)
子どものポケットに石というのはかわいいもので、虫を入れて帰ってきて、「飼いたい!」と言い出すこともままあること。無碍にはできないけれど、一体どうしたらいいのか分からないというときには、この昆虫図鑑をどうぞ! 「エサが用意できないときには」「卵から育てるときには」など、想定される状況に応じたアドバイスが書かれているのも助かります。写真が多く分かりやすいので、小さな子どもでも虫と図鑑を比べて観察したり、あれこれ工夫してみたりする姿も見られますよ。
初めて虫を飼うご家族に一押しの分かりやすさです
【書籍データ】
書名 飼育と観察(小学館の図鑑 NEO)
指導・執筆・監修 筒井学, 萩原清司, 相馬正人, 樋口幸男
撮影 阿部正之, 井川俊彦, 亀田龍吉, 筒井学 ほか
出版社 小学館
小さな子が使いやすく、レトロなイラストもうれしい
『こんちゅう』(はじめてであうずかん)
『こんちゅう』(はじめてであうずかん)
概ね「いえやにわのむし」「みずのなかにすむむし」など住んでいる環境別に紹介されていて、「今いた虫は何かな?」とすぐに調べることができます。また、チョウやカブトムシなど子どもたちにも比較的良く知られていたり、人気だったりする虫は、「かぶとむしのなかま」など種類別に集められています。
環境別・種類別のバランスが、小さな子の本の読み方に合っていて、とても使いやすいのです。
イラストは、精緻なのにどこかレトロで、愛らしさを感じてしまうほど。その横には、ひらがなで虫の名前が書かれています。最近はひらがなの学習のスタートも早いので、虫を見ながらひらがなを読めるのも、子どもたちにはうれしいようです。
【書籍データ】
書名 こんちゅう(はじめてであうずかん)
絵 三芳悌吉
指導 矢島稔
出版社 福音館書店
ムシ好きでない人も思わず「へーっ!」と感心できる
『さがそう! ちがう虫』(海野和男のさがしてムシハカセ)
『さがそう! ちがう虫』(海野和男のさがしてムシハカセ)
「虫ではない生き物を探す」「バッタではない虫などを探す」など、「○○ではない」を探すことで、逆に「○○とは何か」が明らかになっていきます。遊びながら自然と、観察力・分類が身に付きます。
何より、「虫好きではない人たちにも虫を見てほしい」という思いをお持ちの海野和男さんの本ですから、家族で、お友達同士で、きっとわいわい楽しんでいただけたると思います。
【書籍データ】
書名 さがそう! ちがう虫(海野和男のさがしてムシハカセ)
著 海野和男
出版社 偕成社
ムシもグッドデザインに!?
読み聞かせもできる『昆虫とあそぼう』
『昆虫とあそぼう』
『昆虫とあそぼう』は、戸田幸四郎さんの「幼い頃、虫と遊んだごく普通の体験を元にして」作られた絵本です。さすがのグッドデザインと語りかけるような文章で、年齢を問わず虫の苦手な人に大人気です。
どのページもスッキリ見やすい! 右ページのおっとりした雰囲気が、小さな子や虫嫌いをほっとさせてくれます
【書籍データ】
書名 昆虫とあそぼう
作・絵 とだこうしろう
出版社 戸田デザイン研究室
「昆虫」を越えて! 「地球」の不思議を皆で楽しめる
『世界のふしぎな虫おもしろい虫』
『世界のふしぎな虫おもしろい虫』
ちょこっとだけ変わっていると、なんだか気持ち悪い……と思ってしまうこともある虫ですが、あまりにカラフルで風変りなので、面白さや好奇心が先に立って、グングン読み進められます。その姿も、環境に適しているということですから、「世界」「地球」の広さを改めて感じずにはいられません。
実は、これらの珍しい虫の写真は、記録としても貴重だと言われているのですが、虫嫌いや知識のない方には、とにかく写真集感覚で楽しんでいただきたいと思います。親子で楽しく、盛り上がれる図鑑です。
【書籍データ】
書名 世界のふしぎな虫おもしろい虫
著 今森光彦
監修 塚田悦造, 市川顕彦
出版社 アリス館
これ1冊でアリ博士に! 『アリびっくり!? はてなずかん』
『アリびっくり!? はてなずかん』
写真だけでなく、ソフトなイラストが多く掲載されているため、全体的に優しい雰囲気です。けれど、これ1冊でアリの全てが分かると言っても過言ではないほど、盛りだくさんの内容。どれも同じように見えるアリ、 実は、アリは日本に約260種、世界には12000種もいると言われています。この本で、ぜひアリ博士になってください!巻末の、日本のアリミニ図鑑もお楽しみに。
【書籍データ】
書名 アリびっくり!? はてなずかん
写真・文 山口進
絵 すがわらけいこ
監修 大谷剛
出版社 アリス館
思わず涙がこぼれる科学絵本『セミたちの夏』
『セミたちの夏』
図鑑NEOの科学絵本『セミたちの夏』は、アブラゼミの一生を追った科学絵本です。どんな風に生まれ、どのように一生を終えるのかが丁寧に書かれています。そして何より、透き通るような写真の美しさ、セミの眼の力強さ、そして、命というもののたくましさ。「虫」や「知識」といった枠を超えて、ぐいぐいと胸に迫るものがあります。虫が苦手な人にこそ読んでいただきたい1冊です。
これほど美しいセミの羽化、見たことがありますか?
ちなみに、図鑑NEOの科学絵本のシリーズには、カマキリの絵本もあります。あわせてどうぞ!
→ ガイド記事「生命の力を写した科学絵本『カマキリの生きかた』」
【書籍データ】
書名 セミたちの夏
写真と文 筒井学
出版社 小学館
自然観察の楽しみ方を教えてくれる『バッタのオリンピック』
『バッタのオリンピック』
このバッタのオリンピック、実は今も、授業や自然博物館などが主催するイベントで、小学校のビオトープや野原を会場にあちこちで行われています。『バッタのオリンピック』では、バッタの生態や飼い方も紹介されていますが、バッタの飛行時間は、子どもたちの予想よりも、きっとずっと長いと思います。おうちでもぜひこの本を参考に、オリンピックを開いてみてくださいね。楽しい自然観察になりますよ!
【書籍データ】
書名 バッタのオリンピック
案 日浦勇
文 宮武頼夫
絵 中西章 絵
出版社 福音館書店
虫捕り心を刺激する!『とんぼ』(フレーベル館だいすきしぜん むし)
『とんぼ』(フレーベル館だいすきしぜん むし)
「かっこいい」「とれたらうれしい」と言われるトンボの王様・ヤンマという緑系のトンボについて、「かお」「しょくじ」「たまご」「とり方」など、必要な情報が過不足なく書かれています。読み聞かせにも、自由研究や調べ学習にも適した分かりやすさはポイントの一つ。
著者は、昆虫画の第一人者として知られる安永一正さん。そのイラストは、写真と見間違えるほど、精妙です。何より繊細で美しい! 宝石にたとえられることのあるその眼も、透きとおる羽も、ゆっくりと見ることができます。
童謡「とんぼのめがね」でトンボに興味を持ったお子さんも、虫とりに気合を入れているお子さんも、楽しめる1冊です。
【書籍データ】
書名 とんぼ(フレーベル館だいすきしぜん むし)
文・絵 安永一正
出版社 フレーベル館
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