英国ファッション道35年のプロフェッショナルに聞く
“英国アイテム”に特化したセレクトショップ“BRITISH MADE”。創業53年の渡辺産業株式会社が英国愛を全面に出して手がけるショップは、現在、東京の青山と丸の内、名古屋、大阪の国内4店舗で展開しています。今回は、そんな同社のカッコイイ社長であり、英国、そして英国ファッションとの付き合いが35年以上になるという、渡辺鮮彦氏を直撃取材。「英国紳士」をテーマに、イギリスファッションついて熱く語っていただきました。おすすめのアイテムも紹介しています!英国紳士の精神は英国ファッションとつながる
ガイド: 渡辺社長にとって、英国紳士とは?
渡辺社長(以下、敬称略): 実は、“英国紳士とは?”という問いと、“英国ファッションとは?”という問いの答えは私にとって同じなんですよ。一言で言うと、“人間性”ですね。
ガイド: 人間性というと、具体的には?
渡辺: 3つあるんですが、まずは自然体であること。焦ったりせず、穏やかで優しいんですよ。2つ目は誇らないこと。お金のあるなしに関わらず、地に足の着いた衣食住。そして最後は社会的意義を果たす、ということです。
ガイド: その3つの要素は、英国ファッションとどう関わってくるのでしょうか?
渡辺: 人間性の内面がその人の服や靴という持ち物に現れるということです。だからファッションは、外見よりまず内面ですね。具体的にはそのアイテムに歴史があるかどうか、言い換えれば、長く使えるかどうかが英国ファッションの肝です。イギリス人はモノを大切にするんですよ。その部分は“もったいない”という文化のある日本と通じますね。長く使えるというのは、実質的な耐久性と、あと、見た目・デザインが一過性でない、という2つの側面があります。
ガイド: その部分が、例えばヨーロッパの他の国のファッション概念と英国ファッションと決定的に違う部分なんですね。
渡辺: そうですね。良い物は安くない、だから、普遍性がある英国産が良いのです。今買ったアイテムと、3年後に買ったアイテムが、キチッとコーディネートできるのが英国流です。実用的で、今主流であるファストファッションとは、対極にあるファッションですね。社会の資源を有効活用するサステナビリティの考えにも通じて、社会的意義とも繋がります。ウチにあるのは全部そんな商品ですよ。
英国ファッションと英国に対する心からの愛が、お話からもにじみ出る渡辺社長。英国紳士の精神息づく「長く使える英国の逸品」を、青山にあるショップ店内を歩きながらセレクトしてもらいました。(編集部のむちゃぶり、「10万円以内で」というハードルにも笑顔で答えていただきました!)