糖尿病/糖尿病の合併症(目のかすみ・白内障等)

視力が気になりますか?網膜症を予防する6ヵ条!(2ページ目)

米国では5月は「ヘルシーな視力」を啓発する月間です。今年の5月にはニューヨーク医学アカデミーが、国際糖尿病連盟(IDF)、国際高齢者団体連盟(IFA)および国際失明予防協会(IAPE)と共同して、糖尿病網膜症バロメーター調査を行いました。この研究は糖尿病と糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫に対する認識、管理、利用可能なサポート、サービスの実態把握に役立てられます。

執筆者:河合 勝幸

誕生日は眼の定期検診の日!

単眼倒像鏡 眼底全体を短時間で観察できます

単眼倒像鏡
眼底全体を短時間で観察できます

眼の異常はかなり進行しないと自覚症状はありません。そのため定期的な眼の検診が必要です。その状態によって1年に1回でいいか、6ヵ月に1回でいいかは眼科医が指示しますから絶対に守ること。糖尿病網膜症の治療は最適なタイミングを逃さないことが大切です。

1年に1回の検診は意外とうっかりしやすいものです。そこで多くの糖尿病患者は自分の誕生日を「眼の日」にしています。ぜひ、仲間になってください。


眼の障害のサイン

無自覚の高血糖が続いたり、初めてインスリン治療を導入して血糖が乱高下したりすると視力に異常をきたすことがあります。しかし、気付かないままに病態が進行していることが多いのです。もし、何か変化を感じたら次の診察日まで待たないですぐ診察を受けてください。

■糖尿病黄斑浮腫のサインとして
  • 視野の中心がぼける
  • 直線が曲がって見える
  • 夜、あるいは暗い所で物が見えにくい
  • 話をしている相手の表情がよく分からない

浮腫は往々にして片方の眼から始まります。私達は両眼で見ていますので、脳は異常を自覚できないことがあります。

■増殖網膜症のサインとして
新生血管からの出血や網膜の引きつれなどの症状が知られています
  • 突然、黒い点(血液)がシャワーのように視野に入ってくる
  • 黒いカーテンが視野の外側から始まって中心部へゆっくりと移行、あるいは突然急激に!

いずれにしても症状が出た時は危機的な状態です。糖尿病になった時から眼のことを忘れないようにしましょう。


眼を守る6ヵ条

糖尿病を発症した時から血糖コントロールを守れば眼を守ることができますが、なかなか上手にはいかないものです。血糖値だけでなく、高血圧や血中脂質異常、腎症にも気配りを忘れずに!

  1. 毎日、血糖コントロールにベストをつくす
  2. HbA1cを目標範囲に保つ
  3. 過度の、そして頻繁な高血糖と低血糖を避けること。例え、HbA1cが目標範囲を保っていても!です
  4. ヘルシーな食生活を守る
  5. 有酸素運動を心掛けて血管を守ろう。もし、増殖網膜症、網膜剥離、その他の症状があれば医師のアドバイスを受けること
  6. 目を守る良い習慣をつけよう。眼科医の定期健診、紫外線から眼を守るサングラスを忘れずに!眼を守るサプリやマルチビタミン、ミネラルを取る時は眼科医に相談してからにしましょう


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