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子供がLINE依存になる理由と弊害、対策とは

LINEで大きな問題となるのが、「LINE依存」だ。LINE依存の問題点と、依存になる理由、対策をご紹介する。

高橋 暁子

執筆者:高橋 暁子

ITリテラシーガイド

依存になる理由は楽しさと不安

LINE依存

楽しさと不安でLINE依存に陥るケースが多い

ネット依存の中で、近年特に増えているのがSNS依存(きずな依存)です。なかでも、10代などの若年齢層において始終LINEを利用する、いわゆる“LINE依存”が増えています。小学生でも夜中の1、2時頃までLINEをやり続けて寝不足に陥ってしまう話を聞きます。保健室に青い顔で現れてそのまま眠ってしまったり、授業中に寝てしまう子もいます。

中高生は始終LINEを利用しています。「学生時代に友だちと長電話をした」という保護者世代も多いと思いますが、彼らも基本は同じ。友だちが一番という年代であり、友だちとのリアルタイムのコミュニケーションを楽しんでいるのです。

LINEはトークがくるとプッシュ通知がくる上、トークを表示すると「既読」と表示されます。既読を付けたのに返事をしないことは既読スルー、なかなか既読がつかないことは未読放置といってどちらも嫌われる行為です。友だちに嫌われることを恐れ、嫌われていないことを確認するために、LINEを使い続けてしまいます。

LINE依存の弊害

スマホ利用時間増につき睡眠時間、学習時間が減少

総務省情報通信政策研究所「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査報告書」(平成26年7月)

つまり、楽しさと不安という二つの要素によって、LINE依存になってしまうのです。LINE依存になると、睡眠時間が減り、睡眠不足による頭痛、遅刻や欠席、学力の低下などにつながります。

総務省情報通信政策研究所「高校生のスマートフォン・アプリ利用とネット依存傾向に関する調査報告書」(平成26年7月)によると、スマホの利用によって「睡眠時間」(40.7%)、「学習時間」(34.1%)が減少したと答えています。

スマホ利用時間増につき正答率が下がる

文部科学省平成26年度全国学力・学習状況調査(2014年8月)

文部科学省の平成26年度全国学力・学習状況調査(2014年8月)によると、小中学校共にスマートフォンの利用時間が多ければ多いほど、国語と算数・数学の正答率が下がることが分かりました。

学習時スマホを脇に置いておくと、LINEからの通知が鳴り止まない状態となると言います。これでは、学習に集中できず、学力が低下するのは当然と言えるでしょう。

利用時間制限がおすすめ

つい気になって利用しすぎてしまう理由は、プッシュ通知と既読機能のため。つい使いすぎてしまう場合は、プッシュ通知機能を切っておくといいでしょう。

LINEアプリを起動し、プッシュ通知を切りたい相手やグループのトークを開き、右の下向きの矢印→「通知ON」をタップして「通知OFF」にすれば、その相手やグループからトークが届いても通知はこなくなります。通知はこなくても、アプリを開けば新着トークがきていることが分かります。

2014年4月、愛知県刈谷市が9時以降スマホ・携帯電話を利用禁止としました。LINEなどを使ったトラブルや生活習慣の乱れを回避するために生まれたものです。この措置に一定の効果があったことから、県や市、学校単位などで小中学生を対象とした携帯電話・スマートフォンの利用時間制限が全国的に広がっています。

中高生も、本音では「もうLINEをやめて眠りたい」と思っていることが多いもの。やめるきっかけを与えてあげることで、深夜はLINEをやめて眠ることができるのです。

在住の地域や学校などでそのような利用制限がない場合は、どうしたらいいのでしょうか。子どもも本音ではやめたいと思っている場合は、保護者が悪者になり、子どもに「親がうるさいから夜10時までしかLINEできないの。返事は朝するからね」などと言わせるといいでしょう。友だちの保護者も巻き込めるともっと話が進めやすくなるのでおすすめです。

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