正しい睡眠習慣を手軽に身に着ける
「快適な眠りのための睡眠習慣セルフチェックノート」全日本病院出版会
目次は次の通りです。
第1部 健やかな眠りのために
第2部 良く眠れていますか?~生活習慣を見直してみましょう~
第3部 寝苦しい夜を快適に過ごすために~寝室環境を見直してみましょう~
第4部 朝、快適に目覚めるために~朝の生活習慣を見直してみましょう~
第1部には、睡眠に関する基礎知識がまとめられています。第2~4部には、セルフチェック項目とそれについての解説があります。本の初めから通して読んでもよいですし、興味がある項目を拾い読みしても、快眠につながるアイデアを得られるでしょう。
「生活リズム健康法」とは?
今回の記事では、『快適な眠りのための睡眠習慣セルフチェックノート』の中から、「生活リズム健康法」をご紹介します。これはもともと、広島国際大学の田中秀樹先生が認知行動療法をもとに提唱されてきたものです。本書ではそれを少し変えて、以下で各項目を解説を。15項目の中から、今はできていないけれども、頑張ればできそうなことを、3つほど選んでください。それらを時間をかけて実行して、生活習慣を少しずつ改善していきましょう。
朝から夕方にすると良いこと
- 毎朝(平日、休日ともに)ほぼ決まった時間に起床する
起床時刻を一定にすると、体内時計が正しくリセットされて、生体リズムが安定します。睡眠ホルモンのメラトニンは、起床してから14~16時間たつと、脳の中で分泌されます。
- 毎日、規則正しく食事をとる(特に、朝食はきちんと食べる)
胃腸にある体内時計「腹時計」は、眠っているあいだ休んでいますが、朝食をとると動き始めます。3食を規則正しくとると、腹時計のリズムも正確になります。
- 朝起きたら、太陽の光をしっかりと浴びる
明るい光を浴びると、睡眠ホルモン・メラトニンが減って目覚めがスッキリします。人間の体内時計の1日は24時間より長いのですが、朝の光によってリセットされ、地球の時間にあわされます。
- 休日も、起床時刻が平日と2時間以上ずれないようにする
2時間以上も起床時刻がずれると、体内時計の調子が悪くなります。体内時計は早い時間に巻き戻すことが難しいので、休日に遅くまで眠っていると、休日明けの朝がつらくなります。
- 15~20分の昼寝をする
昼寝をすると、午後の眠気が減って、仕事や勉強の効率が高まります。夕方以降の仮眠は、夜の睡眠に悪影響があるので、午後3時までに昼寝しましょう。
- 夕方以降は、仮眠をとらない
眠たくなったら、体を動かしましょう。夕方~夜の早い時間に体温を少し上げておくと、寝つきが良くなります。
- 就寝2時間前までに、夕食をすます
お腹がふくれたら眠くなりますが、ここで眠ってしまうと、睡眠の質が悪くなります。胃腸が活発に動いているときは、グッスリ眠れないからです。食べ物の消化がひと段落ついてから、布団に入りましょう。
朝、起きたら、しっかり太陽の光を浴びましょう
夜にすると快眠につながること
- 眠る前のテレビ視聴やパソコン、携帯電話の使用を避ける
電子メディアの画面から出る光が、睡眠ホルモン・メラトニンを減らしてしまいます。眠る前に仕事のメールをチェックすると、エスプレッソコーヒー2杯分の覚醒効果があります。
- 寝床でテレビを見たり、仕事や読書をしたりしない
寝床は眠ることだけに使いましょう。そうすれば、寝床に入っただけで、脳が睡眠モードに切り替わって、自然に眠くなってきます。
- 寝床に入る1時間前には、部屋の明かりを少し落とす
人間は、昼に活動して夜に休む動物です。眠る前には少し部屋の照明を暗くして、読書をしたり音楽を聴いたりして、リラックスしましょう。
- 眠る目的での飲酒は避ける
アルコールは寝つきを良くしてくれます。しかし、その後の睡眠が浅くなるので、全体としては睡眠に悪影響が出ます。また、眠るためにお酒を飲み続けると、アルコール依存症になるリスクが高まってしまいます。
- 眠るときは、携帯電話を枕元から離れたところに置く
メールや SNS が気になって、睡眠がこま切れになっている人が増えています。連絡をくれる友人にも伝えて、眠ったら携帯電話に出ないようにしましょう。電磁波が睡眠を悪くする可能性もあります。
- 午前0時までに就寝する
もっとも病気になりにくく、長生きできる睡眠時間は、7時間前後です。起床時刻から逆算して、7時間睡眠を確保できるように、就寝時刻を決めましょう。
- 一人で悩みごとを抱え込まず、誰かに相談する
寝床で悩むと眠れなくなり、睡眠不足で日中も頭の働きが悪くなり、さらに悩みが増えてしまします。自分一人では解決できない悩みには、友人や知人のアドバイスをもらいましょう。
- 「何事も完璧にしなければならない」と考えず、「8割がたできたら上出来だ」と考える
睡眠に関する強いこだわりが、逆に睡眠の質を悪くします。たとえば、「毎日7時間眠らならいといけない」ではなく、「1週間の平均睡眠時間を7時間に近づけよう」などと考えましょう。
寝床での携帯電話は、厳禁です
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