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アンドリス・ネルソンス 未来の大巨匠指揮者の魅力(2ページ目)

アンドリス・ネルソンスは、まだ36歳ながら、世界の最前線で活躍する、今最もホットな指揮者の一人。情熱的な演奏の特徴や経歴、オススメの録音などをご紹介します。

大塚 晋

執筆者:大塚 晋

クラシック音楽ガイド

アンドリス・ネルソンスの経歴

アンドリス・ネルソンス

いつも幸せそうに、そして汗だくで渾身の演奏をするアンドリス・ネルソンス

アンドリス・ネルソンスは、1978年11月18日、バルト三国の一つであるラトヴィアの首都リガ生まれ。音楽家の親の元に育ち、5歳でワーグナーの『タンホイザー』を観て感銘を受けたそう。ピアノに加え、12歳から始めたトランペットに何時間もずっと練習し続けるなど熱中。またテコンドーを習ったことで精神的なタフさを身に付けたそうです。

ラトヴィア国立歌劇場管弦楽団のトランペット奏者となった後、指揮に転向し、アレクサンドル・ティトフ、ネーメ・ヤルヴィ、ヨルマ・パヌラなどの指導を受ける。そして2002年より恩師となる同郷の名匠マリス・ヤンソンスに師事。翌2003年にラトヴィア国立歌劇場の首席指揮者に就任。2006年から北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、そして、2008年より世界的な知名度のあるバーミンガム市交響楽団の音楽監督に。

この頃より録音および世界的な活躍が始まり、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など主要オーケストラと共演。またオペラでは、2008年にウィーン国立歌劇場、2009年にメトロポリタン歌劇場にデビュー。翌2010年には、ワーグナーの殿堂バイロイト音楽祭に鬼才ノイエンフェルスによる強烈なインパクトの新演出『ローエングリン』でデビュー。そして、最近では2014年より小澤征爾さんが永らく務め日本でも馴染み深いボストン交響楽団の音楽監督に就任し、新たな活躍が期待されます。

2014年にボストン交響楽団が来日した際、マネージング・ディレクターのマーク・ヴォルピーにネルソンスの音楽監督就任の理由を尋ねたところ「音楽監督に重要なのは、お客様や団にインスピレーションを与えられるか、ということ。また、聴衆と団と馬が合うか。アンドリスはその点、全く問題ない偉大な指揮者なのでお願いしました」とのことで、音楽性と人間性が高く評価されていることが分かります。

来日公演は、2010年にウィーン・フィルと、2013年にバーミンガム市交響楽団と実現。

プライヴェートでは、2011年に同郷のソプラノ歌手クリスティーヌ・オポライス(2014年にメトロポリタン歌劇場で『蝶々婦人』を歌った翌日、『ラ・ボエーム』ミミ役の歌手の急病の代演で登場し大成功を収めた様子がライブビューイングで全世界に流れ話題に)と結婚しています。
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