性行為をしていないのに性感染症に?

キスだけで性感染症に感染するはずない!と思っていたら……実は大間違いです。「性感染症」とは言っても、性行為だけから感染するわけではありません。よく知らない相手との類似の行為(オーラルセックス)やディープキスによって、感染する可能性はあります。今回は、キスだけで感染してしまう性感染症についてお話しします。

どうしてキスだけで感染してしまうのか

キスだけで感染してしまう性病もあります

キスだけで感染してしまう性感染症もあります

オーラルセックスは、性器が口と接する行為になります。そうすると、性感染症に感染している性器から口へ、そして口から口へと感染してしまうことがあります。もちろん、日常生活程度では感染しませんからご安心ください。

ただし、キスだけでも感染する可能性があることは心に留めておいてください。特に、お互いの口の周囲や中に傷やでき物があると、血液から感染する可能性は高まります。

キスだけで感染してしまう性感染症とは

  • 性器ヘルペス・口唇ヘルペス
  • B型肝炎
  • 咽頭クラミジア
  • 咽頭淋病
  • マイコプラズマ感染症(咽頭)
  • ウレアプラズマ感染症(咽頭)

「B型肝炎」や「ヘルペス」は、性感染症といってもピンとこないかもしれません。以下で具体的にお話ししましょう。

キスで一番感染しやすいのは「ヘルペス」です

■性器ヘルペス・口唇ヘルペス
「ヘルペス」とは、単純ヘルペスウイルスによる感染症となります。感染すると口の周りや性器に水ぶくれやビラン(ただれ)がおこります。症状が出る場所によって口唇ヘルペスや性器ヘルペスと使い分けられます。

ヘルペスは皮膚と皮膚の接触でも感染します。そのため、キスをする際に皮膚が接触することで、感染することがあります。また、現代の医学では、単純ヘルペスウイルスに感染すると、ウイルスを体内から完全に取り除くことはできません。ただし、薬を用いて症状やウイルスの増幅をおさえることはできます。

単純ヘルペスウイルスは感染力が強いので、特に相手に症状があるとき、また、ご自身の皮膚に傷や湿疹があるとき、疲れていて身体の免疫力が低下しているときは感染しやすいので特に注意が必要です。

■B型肝炎
「B型肝炎」は、体液や血液を介して感染します。また、カミソリや髭剃り、歯ブラシの使い回し、ピアスの穴あけなどからも感染します。口から微量でも血液が付着すると、感染する可能性が高いと言えます。厚生労働省免疫所によると、B型肝炎ウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)よりも50倍から100倍感染力が強いと公表しています。

■咽頭クラミジア

「クラミジア」は、Chlamydia trachomatis(クラミジア・トラコマチス)といった細菌に感染することによって発症します。感染場所は、男性の場合は尿道、咽頭。女性は、膣内と咽頭になります。もっとも感染者数が多い性感染症です。

性器クラミジアの場合、男性には症状が現れ易いのですが、女性は症状がおりものが増える程度で、クラミジアに感染していることに気がつかないことがあります。また、咽頭クラミジアといって、のどに感染していることもありますが、こちらも症状が出にくく、気がつかないまま口から性器へ、性器から口へ、口から口へ感染させてしまうことがあります。

■咽頭淋病、マイコプラズマ感染症(咽頭)、ウレアプラズマ感染症(咽頭)
咽頭クラミジアと同じように、咽頭淋病、マイコプラズマ感染症(咽頭)、ウレアプラズマ感染症(咽頭)も無症状のため、相手も感染していることに気がつかずディープキスによって感染することもあります。


最後に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)も、体液や血液を介して感染します。可能性は低いのですが、やはり口の周りや口の中に傷やでき物があり、出血していれば、可能性はゼロではありません。ただ、唾液に含まれるHIVは極めて微量なので、通常の社会生活の中で感染することはありません。

予防方法は

B型肝炎は性感染症の中で唯一、予防接種(ワクチン)による予防が可能です。ご家族や身近な方が感染されている方は医師と相談の上、ワクチン接種をすることも有効な予防方法です。

性感染症は、コンドームの着用が一番有効な予防方法となりますが、キスで感染してしまうこともあります。よく知らない相手とはキスをしない。特に、口の周りや口の中に傷などがあると感染しやくなりますので、注意するようにしましょう。

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