名水の都京都から生まれる瑞々しい美人たち
古より美人が多いことで知られる京都。祗園、宮川町、先斗町、上七軒と、美を競う舞妓さんや芸妓さんが身を置く花街も多く、また東京オリンピックを機に、ますます注目度がアップしそうな予感です。
京美人の大きな特徴は、その美しい肌。透明感にあふれ、毛穴が目立たず、しっとり艶やかで、内側に水分をたたえているのが見た目にも良くわかります。では何故、京美人はそんなにも美しいのでしょう? それは名水と独特の食にあります。京都は言わずと知れた名水の都。古くからの言い伝えで、「京都の地下には大きな水甕が埋まっている」と言われており、そのおかげで名水に満ちた土地になったと信じられています。
考えてみれば、京都には名水がなければ生まれない日本酒の蔵も多く存在しており、その確かさを物語っていますよね。また京都市内には鴨川をはじめ、高瀬川、桂川と多くの川が流れ、さらには宮津や天橋立と海も近く、まさに“水の都”として申し分のない条件が揃っています。この名水こそが、きめ細かい京美人のお肌には欠かせないのです。
美肌にうれしい食材もたくさんある京都
京料理もまた、京美人を作るに欠かせないファクター。京都にはビタミン、ミネラルたっぷりの京野菜、低カロリーで高タンパク質の豆腐や湯葉をはじめとする食材が豊富で、なかでも注目したいのがコラーゲンたっぷりの鱧です。
特に鱧の皮の部分はコラーゲンが豊富で安価かつ調理しやすいことから、京都人の家庭料理の定番となっています。もちろん我が家でも鱧は人気で、鱧皮ときゅうりの酢の物、鱧寿司などは、日本酒の良きお供として食卓にも良く登場します。豊富なコラーゲンを含む鱧を食べた翌日はお肌もプルプル。自身の肌でも実感できます。
京美人に磨きをかける 古刹の中にあるエステサロン
名水とコラーゲン豊かな食材。京美人にとって“命”とも言える二つのファクターの恩恵を、あますところなく受けているのがエステサロン「ソワンエステ ティラ」のオーナーで、セラピストの吉田教子さん。こちらのサロンは古刹・善導寺に中にあるエステで、立地のおもしろさ、そして“ゴッドハンド”と称賛される技術の確かさから、国内だけでなく海外の方からも高い評価を得ています。
美肌のコツは“全ての美は食から”
技術の素晴らしさもさることながら、毎回驚かされるのが吉田教子さんのお肌の美しさです。陶器のような……とは、まさに吉田さんのお肌なことを指すと言えるほど色が抜けるように白くシミ一つないお肌は、女性の憧れです。どのように美肌を維持しているのか、吉田さんにおうかがいしてみました。
「第一に気を付けているのが食です。“全ての美は食から”という考えのもと、バランスのいい食事をするよう心がけています」
そんな吉田さんが常食しているのが、先にも上がった鱧。家庭で料理することもあれば、ご家族と一緒に近くにある料亭「やました」へ鱧料理のコースを食べに行くのだとか。この日は「やました」から仕出ししてもらった鱧料理の数々をご用意くださいました。吉田さんが特にお気に入りなのが鱧寿司。祗園祭りの季節になると、決まって「やました」の鱧寿司を食べるのだそうです。
「鱧はコラーゲンをはじめ、良質なタンパク質が豊富な上に100gで144キロカロリーと、実に低カロリー。栄養価が豊富で、お肌はもちろん、体を内側から輝かしてくれます」
表面だけでなく、コラーゲン豊富な鱧を食べ、体の中から美しさを磨く。なるほど納得です。
心も身体もしっとりする京都の地下水
そしてもう一つ、吉田さんの美肌を守っているのが、お寺の敷地内に沸く地下水。お風呂をはじめ飲料水までも賄えるほど量が豊富で、その水質はピカイチです。超軟水で角がなく、飲んだ後にやわらかな甘味が舌に残るのが印象的です。
「日航プリンセス京都、京都ブライトンホテルなど、京都のホテルでも全館地下水を使用するところが増えてきました。水道水と違ってカルキ臭さがなく、本当においしいんですよ。肌や髪にも良く、洗った後、しっとりするのも地下水ならではの特徴です。ただし洗顔の際はそのままではなく、皮脂が取れ過ぎず、汚れが落ちやすい32度に温めて行っています。こうすることで乾燥、シワを防ぐことができるのです」
洗顔の温度にまでこだわるとは、さすが美容家。吉田さんが提唱する“32度洗顔”、ぜひ実践してみたいですね。
帰り際、吉田さんがサロンのすぐ横に流れる鴨川を案内してくれました。
「川の流れを聞きながら、鴨川沿いをこうして歩いていると、日ごろのストレスがすーっと溶けてゆくんです。ストレスは万病の元。川、そして水によって、日々癒されているというのも、お肌にとっては大事な要素なのかもしれませんね」
そう話す吉田さんのお肌は、鴨川の水面にも増して輝いていました。