<目次>
マシュマロ実験で判明! 4歳での行動が将来の学力を左右する!?
マシュマロを食べる、食べないで何が分かる?
子供たちは1人ずつ教室に通され、椅子に着席。机の上には1つのマシュマロが置いてありました。実験者は子供にこう伝えます。
「私はちょっと用事があるので、部屋を出るね。このマシュマロは君にあげるけれど、私が戻ってくるまで食べるのを我慢していたら、マシュマロをもう1つあげるよ。でも、私がいない間にそれを食べたら、2つめはないよ。じゃあ15分したら戻ってくるね」
マシュマロ実験で子供たちは、どう行動した?
果して、子供たちは魅力的なマシュマロを前に、どう行動したのでしょうか?結果は、3分の2の子はマシュマロを食べ、3分の1の子が食べずに待っていました。
「マシュマロをいつ食べたっていいんじゃない?」
確かにそうなんですが、この実験者はその後、あることに気づいたのです。4歳のときの「食べる」「食べない」の決断が、その子の将来にも引き継がれているのではないかということを。
18年後、つまり、その子たちが22歳のとき、追跡調査が行われました。すると、予想通り、次のような相関が見られたのです。
- 4歳のときの自制心の傾向は、18年後も続いていた
- マシュマロを食べた子よりも、食べなかった子の方が学業成績が良かった
学校の成績に大事なのは、IQ or 自制心?
学校の成績と比例するものといえば、真っ先にIQを思い浮かべる方が多いと思います。IQと知的学習能力はこれまで存分に研究されてきた分野。それゆえ情報も多いのですが”自制心”と”学力”は近年になって分かってきた関係です。IQと自制心、どちらも高ければ、親としては万々歳ですが、実際には、IQは低くても自制心の高い子はいるし、IQが高くても自制心が低い子はいます。最近の研究で分かってきたのは、その子の成績をより正確に予測できるのは、IQ以上に、自制心だということなんです!
親は「お勉強」となると、やっぱりIQの方が気になるもの。でも、実は自制心やセルフコントロール力を伸ばすことの方が将来につながりやすいのです。
「でも4歳のときの自制心が一生続くんでしょ?」
いえいえ、自制心は育むことができます。心理学で「Delayed Gratification」という言葉がありますが、それは「のちの満足のために、今を我慢する力」。ママならご存知のとおり、赤ちゃんは自分の欲するもの(おっぱいなど)を我慢できませんね。しかし年を追うごとに、色々な場面で我慢ができるようになってきます。つまり、自制心は発達するんです。我慢強さは生まれつき、ある程度決まっていますが、そこからスタートし、伸ばしてあげればよいのです。
今からトライ! 我が子の自制心の育み方
自制心の育みは、当然ながら、我慢や待つことが求められます。「子供には我慢をさせたくない」
「子供の欲求は全て叶えてあげたい」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
ここで大事なのは、「甘えさせる」と「甘やかす」の線引きです。言葉が似ていることもあって、混同しやすいのですが、両者はまったくの別物。
- 「抱っこして」という子供の気持ちを無視したり、「一緒に遊んで」というのに拒絶したりというのは、甘えたい気持ちを拒否してしまっていることになります。
- 「レジで泣かれてガムを買ってあげた」「テレビを消すとぐずるので2時間見せてしまった」「まかせると時間がかかるのでやってあげた」などは甘やかしです。
- 宿題にしっかりと時間をかけられる
- 朝早くから行動できる
- 学校を欠席することが少ない
- テレビを見る時間が少ない
これからの試みとしてやっていきたいのは、
- 際限なくやってしまいがちなものは、時間を決めて取り入れる(テレビやゲームなど)
- 子供が気乗りのしないことでも、親としてやって欲しいことは習慣づける(歯磨き、お風呂、着替えなど)
時計を見て行動できるようになるのは、まだまだ先ですが、ママが
「テレビは18時までよ」
「18時だからご飯だよ」
「夕飯が終わったら歯磨きね」
と先導しつつ、自制心をアップしていくのがおすすめです。
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