お土産に地産チーズを選んでみよう!
九州ほどの大きさのスイス。決して大きな国ではないが、その中に数えきれない魅力が詰まっている。期待を裏切らず、ハイジとチーズと雪を抱いたアルプス……イメージ通りの世界が、世界中のファンを惹きつけてやまない。そんな国内の各観光地の中でも、ベルン州に位置するグリンデルワルトはアルピニストが憧れるアイガー北壁とヨーロッパ最高所に上がる登山列車で有名。それと同時に、アルプスの裾野に広がる牧歌的な雰囲気を演出する、酪農エリアでもあるのだ。ここを訪れたら是非、お土産にしてもらいたい、また、その場で味わってもらいたい、お勧めの地産チーズをご紹介しよう。
アルプケーゼ
ベルン州南部及び隣接州の一部の緑豊かな牧草地(アルプ)に、夏の間だけ放牧された牛のミルクを、無殺菌で6カ月以上熟成させてハードタイプに仕上げられたベルナー・アルプケーゼ。チーズ一つの直径は28cm~48cmで、重さが5~16kgにもなる。 2004年にAOC(原産地統制名称)に認定された、スイス代表チーズの一つだ。ここで紹介するのは、グリンデルワルトで放牧された牛のミルクから作られたアルプケーゼ。
店頭では、地元産である「Eigerness」ステッカーと共に、作られた年、作り手の名前と連絡先が記載され、様々なサイズに真空パックされて並んでいるので、持ち帰りにも選びやすい。
価格は2013年ものだと100gあたり2.75スイスフラン、2014年ものだと100gあたり2.35スイスフランとなっている。
ホーベルケーゼ
アルプケーゼの、特選品を更に12ヶ月間格子柵で縦置きにして乾燥させて硬く仕上げたもので、鉋で削って食べることが多い。ホーベルとはドイツ語で鉋(かんな)のこと。削られた形で売られていることが多いが、長旅には不向きなので、滞在中に是非、味わってもらいたい!レストランメニューの前菜として、紹介されているだろう。価格は100gあたりで4.75スイスフラン。
ムッチュリ
ムッチュリ(Mutschli)とは「小さなチーズ」という意味で、熟成期間が1~3か月と短めで、無添加・手作りで作られる。中には小さな気泡が沢山あり、噛むと、意外に弾力のある食感。味も香りもマイルドで、クセがなく食べやすく感じるだろう。プレーンなものから、ガーリックやハーブを混ぜたものもあり、一般家庭でもよく食べられる。
地元のチーズ屋さんでは、春になるとベアラウフ(行者にんにくの仲間)を混ぜたものも限定販売される。
ミルクの味と一緒に、ふんわりとニラのような香りが広がり、ちょっとクセになる味だ。
そんな、土地・時期限定のチーズに出会ったら、是非、口に入れてみよう!
価格はプレーンタイプが100gあたり1.90スイスフラン、香草入りだと100gあたり2.20スイスフラン。
シャフケーゼ
グリンデルワルトで放牧されている羊のミルクから作られたチーズ。フレッシュタイプは、カッテージチーズのようにもろもろしているが、しっとり口の中でクリーミーに広がる。そのままクラッカーなどにのせて食べてもいいし、地元のレストランでは、ラビオリの中に詰めた自家製パスタとしても提供される。
シャフケーゼでも、ムッチュリが作られる。 こちらはセミハードタイプなので、持ち歩きにも最適。牛のチーズとは、異なる風合で、パンチのある赤ワインとも相性がいい。チーズ好きには試してもらいたい一品だ。 価格はフレッシュタイプが100gあたり3.80スイスフラン、セミハードタイプは100gあたり4.20スイスフラン。
ツィーゲケーゼ
グリンデルワルトエリアで放牧された山羊のミルクから作られたチーズ。ここで紹介するのはマイルドな風味のムッチュリ。牛のチーズとは、異なる風合で、パンチのある赤ワインとも相性がいい。地元では、コリアンダーやミントなどと果物を煮込んだチャトゥニーとあわせて、よく食べられる。価格は100gあたり2.90スイスフラン。
チーズを買うなら、スイスのCOOPやMIGROSなどの大手スーパーでも手に入るが、時間がある人は国産のものを中心に扱う地元スーパーものぞいてみよう。ちょっと中心部から離れているが、バラエティ豊かなチーズに出会えるはずだ。
<DATA>
■ランディ・グリンデルワルト
営業時間:月曜日~土曜日 7:30-18:30
アクセス:グリンデルワルト グルント駅から徒歩5分
TEL:+41 (0)33 854 16 60