入浴剤は体を温めるだけ?
入浴剤も季節に合わせて選びたい
- 入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める、痛みを和らげる、など)
- 清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄にする、 など)
を高めることにあります。
そのため、体を温めるために使うというイメージが強く、夏には入浴剤を使わなくなってしまう人も多いかもしれません。また、気温も高いので、シャワーだけで済ましてしまう人も増えてくるでしょう。
暑い夏に湯船に浸かるべき理由
しかし、夏特有の体調不良は、むしろ入浴によって改善することができると考えられます。高温多湿な環境は身体への大きなストレスや疲労を生み、また冷房の効いた部屋に薄着で長時間いると、手足の末端が冷えすぎて体調不良を引き起こす可能性があります。これらの原因によって、食欲不振や全身倦怠感といった、いわゆる「夏バテ」症状が出る方もいます。
このような場合、夏といえども積極的にお風呂に入ると、温熱効果による血液循環の改善によって疲労回復作用が期待できるのです。また入浴は温熱効果のほかに浮力作用もあり、リラックス効果とストレスの軽減にもなります。
シャワーでは温熱効果は弱く、浮力作用は全くありません。夏でも湯船に入ることが夏バテの予防・回復のコツのひとつです。
「夏向け」の入浴剤があるって知ってた?
入浴剤には夏向けに開発されている商品があります。そこで、今回は入浴剤に詳しい株式会社バスクリンの石川泰弘さんにお話しを伺いました。株式会社バスクリンの石川泰弘さんにお話を伺いました。
石川「その通りです。以前からいくつかの商品がありましたが、今年も新たに夏向けの入浴剤が開発され、販売されました」
早坂「夏向けの入浴剤の特徴を教えていただけませんか?」
石川「夏向けの入浴剤と冬向けの入浴剤ではその成分が異なります。冬向けは温める作用の成分が主です。一方夏向けは、湯上りをさっぱりさせる、爽快感を感じるような成分が主になっています。もちろん、温める作用のある成分も配合されています」
夏向けの入浴剤は炭酸水素ナトリウム(重曹)がメインの成分
早坂「具体的にいうと、どのように成分が違うのでしょうか?」石川「夏向けの入浴剤のメインの成分は炭酸水素ナトリウム、いわゆる重曹です。重曹は皮膚の汚れを取り、なめらかにする作用があるため、湯上りの爽快感が特徴です。また、清涼成分としてメントールパウダーなども配合しているので入浴時の暑苦しさもやわらげてくれます。保湿成分として天然クレイ成分も含む製品もあり、すっきりさらさらな湯上り感が特徴です。一方、冬向けは硫酸ナトリウムなど保温効果作用の成分がメインに配合されています」
早坂「重曹はよく“美肌の湯”と言われる温泉成分ですね。その他、夏向けの入浴剤の特徴はありますか?」
石川「入浴剤は重曹や硫酸ナトリウムといったミネラル成分だけでなく、色や香りも重要な要素です。夏向けの入浴剤は、色はブルー系の涼しげなものが多く、香りもシトラス系やミント系などの爽やかなものが多いですね。いろいろと工夫していますよ」
夏向けの入浴剤はミネラル成分だけでなく、色や香りも工夫されているとのことです。湯船に浸かると、温熱効果や浮力作用の恩恵を受けることができますし、入浴剤も上手に使って、夏バテの予防を心がけたいものです。