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今シーズンのJリーグ、“真のストライカー”は誰だ

J1リーグの得点ランキング上位に、日本代表候補選手がズラリと名を連ねている。高いレベルで競争は歓迎すべきだが、ストライカーの評価は得点の数だけではない。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

日本代表・Jリーグガイド

得点の背景を見極める重要性

ストライカーの真の価値とは?

ストライカーの真の価値とは?

ストライカーとか点取り屋と呼ばれるフォワード(FW)の評価基準で、ゴール数が最上位にあるのは間違いない。コンスタントに得点を決めているストライカーは、それだけで対戦相手に威圧感を与えることができる。

一方で、単純に得点数を評価するだけでなく「いつ、どこで、どんな相手」から得点をしているのかも、見極めていく必要がある。ゴール数がいくら多くても、試合の行方が決したあとの追加点ばかりとか、得点を奪った相手が下位チームばかりでは、ゴールの価値に疑問符がつく。ストライカーの存在価値をはかるには、「いつ、どこで、どんな相手」から得点したのかにも着目するべきなのだ。


時間帯やスコアで得点の重みは変わる

「いつ」とは時間帯やスコアだ。たとえば、下記ふたつのシチュエーションで、ストライカーがより大きなプレッシャーを感じながら決めた得点はどちらだろう?

ア)0対0で終盤を迎えたゲームの決勝点
イ)3対0とリードしたゲームの追加点


0対0で終盤を迎えたゲームは、緊張感が高まっている。攻撃側も守備側も、1点が勝敗を分けることは十分に理解している。決定的なシーンでシュートを打つ選手には、当然ながら重圧がのしかかる。

それに対して、3対0でリードした終盤はすでに勝敗の行方が決している。「このシュートを決めないと勝てない」というプレッッシャーはかからない。「いつ」点を取るのかの比較では、「同点で終盤を迎えた状況」が明らかに高難度だ。


アウェイゲームの得点の価値

これがアウェイゲームなら、プレッシャーはさらに増す。

対戦相手のサポーターに囲まれる状況に奮い立つ選手もいるが、だからといってアウェイ側の選手が精神的に優位とは言い切れない。ホームの選手は声援を力に変える。その意味では、「同点で終盤を迎えたアウェイゲーム」は、ストライカーにとって難しい局面だ。

優勝を射程とするチームも、J1残留を命題とするチームも、ホームゲームの勝利はリーグ戦を戦ううえでの大前提だ。逆説的に考えれば、アウェイゲームでの勝利はホームチームに大きなダメージを負わせることになる。優勝を争う直接的なライバルとの一戦であれば、アウェイゲームの勝利はさらなる価値を帯びる。それもまた、敵地でのゴールが大きな意味を持つ理由である。

対戦相手にも着目しなければならない。

対戦相手がリーグ戦の下位に沈むチームなら、「同点で終盤を迎えたアウェイゲーム」でもストライカーはさほど大きなプレッシャーを感じないものだ。結果が出ていないチームは、自分たちに対する自信が揺らぎがちだ。ホームゲームかアウェイゲームかに関係なく、同点で終盤を迎えるというシチュエーションに、「今日もやられるかもしれない」とか「ここから失点をしてしまうかもしれない」といったマイナス思考に襲われがちである。それによってプレーの選択が消極的になり、相手につけ入るスキを与えてしまうのだ。

好調なチームは対照的だ。結果が出ているので、自分たちのサッカーに自信を持っている。同点で終盤を迎えても、「まだチャンスはある」とか「ここからが実力を発揮する時間だ」と、前向きなメンタリティで挑める。

得点は等しく価値を持つが、リーグ戦の上位に立っているチーム、優勝を狙える実力を持ったチームから奪う得点は価値が高い。ストライカーであれば、「リーグ戦の優勝争いに影響を及ぼすような一戦で、同点で終盤を迎えたアウェイゲーム」でゴールを奪うようになってほしいものである。

>>では、今シーズンのJリーグでもっとも価値あるストライカーは誰か?

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