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学習には3つの段階があります。

皆さんは、お勉強をするとなぜ人は頭がよくなるのか、そのメカニズムを知っていますか?「そんなの勉強すれば頭がよくなるに決まってるじゃない」と思う方もいらっしゃるでしょう。でも何事にも「仕組み」というものが存在します。

たとえば筋力アップのためにトレーニングをするのでも、素人がやるのと、プロのトレーナーがやるのとでは、その効果も効率も違います。なぜならプロのトレーナーは、筋肉がいつどのようにつくられるか、そのメカニズムを熟知しているからです。脳も肉体の一部なのですから、効率よく学力を高めたければ、学習のメカニズムをきちんと理解しておく必要があるのです。

学習には三つの段階がある。

自動車だって、ただ闇雲にアクセルを踏んでも走り出しませんよね。ものごとには「手順」というものが存在します。学習においてもそれは同じことです。それを無視しては効率の良い学習は望めません。

学習には三つの段階があります。まず情報を見たり聞いたりして理解する「インプット」の段階。次に得た学習内容を反復練習したり、組み合わせたりする「再構成」の段階。そうして身に着けた知識や演算方法をテストなどで「アウトプット」する段階です。

まずはこの三つの段階があるということをきちんと理解してください。そしてそれぞれの段階には当然「やり方」や「コツ」というものが存在します。そのやり方を無視していては、効率の良い学習など望むべくもありません。「うちの子勉強時間は長いのに、ぜんぜん成績が上がっていかないのよね」というお悩みを抱えてる方は、学習のやり方を理解していない可能性が非常に大きいです。

インプットの段階のキーワードはずばり「聞く力」

学習の最初の段階である「インプット」で大切なことは、学習内容をよく理解するということです。「なんだ、そんなの当たり前じゃないか」と思った人もいるでしょう。しかしこれが案外バカにできないのです。

たとえば塾で新しいことを習ってきたとしますね。家に帰ってきて子どもに宿題をやらせてみたとします。ほとんど解けない場合保護者の皆様はどう思いますか?「あんた、塾で何を習ってきたの?」と思うのではないでしょうか。まさにこれこそが「理解不足」の状態です。そして保護者の皆様は、お子さんにこう言うでしょう。「もっとちゃんと授業を聞いてきなさい」でも残念ながらそれで改善することはほとんどないですよね。それで改善するなら、もっと早い段階で成績は向上し始めているはずなのですから。

実は子ども達の多くは、この「人の話をよく聞く」ということがとても苦手です。私の塾でも、入塾したての生徒は何度も何度も声をかけてあげないと、授業に集中できない子どもが数多くいます。「子どもは人の話を聞くのがとても苦手なのだ」ということを、まずは保護者の皆様がきちんと理解してください。

子どもが、人の話をきちんと聞けるようになるには、やはり訓練が必要です。聞く力は集中力に比例して伸びていきます。つまり集中力を鍛えることで「理解する力」も高まるということになります。子どもの集中力を高める訓練としては、作業を細分化して時間を測るというやり方が有効です。最初は15分くらいから始めるのが良いでしょう。計算問題10問を15分でやる、漢字問題20問を15分でやる、社会の宿題1ページを15分でやる、など作業ごとにキッチンタイマーなので時間を測ってやらせるのです。これに慣れてきたら、20分、30分と、段々時間を伸ばしていくようにしましょう。

相手の話を聞く訓練としてはもうひとつ重要なことがあります。それは「危険だから」という理由で保護者が先回りして、子どもの周囲から危険を取り去ることをしないということです。たとえば包丁を使わせる時に、手が切れないように子ども用の包丁を使わせたりすることがあると思いますが、そうした過保護が子ども達から集中力を奪う原因ともなっています。日常生活の中で「人の話をよく聞く」という癖をつけさせ、注意事項をよく聞いていないと痛い目に遭うという体験をさせることです。そうすれば子ども達の心には、徐々に「人の話をよく聞かないと」という意識が芽生えて来るでしょう。

次のページでは、学習の中核をなす「再構成の段階」について、3つの具体的な方法をお教えします。