BMWの中にアルファロメオ
BMW i3
主人公のシングルマザー・蒲原希子(木村文乃)が幼稚園まで自転車で送り迎えなのに対して、とんでもなく金持ちの小田寺毬絵(檀れい)は運転手つきでBMWの7シリーズ、自分で運転する場合は電気自動車のi3。夫が開業医の矢野聡子(長谷川京子)は5シリーズ。夫は役所勤務で見栄を張っている神谷由紀(貫地谷しほり)は3シリーズ。
おもしろいことにもう一人の主要登場人物である、後藤みどり(安達祐実)はBMWではなくアルファロメオ・ジュリエッタに乗っています。BMWならSUVのX3、X4かクーペの4シリーズあたりを使うところ。そこをあえてアルファを使うのは、後藤夫妻がクリエイティブ系だからなのか、みどりが不倫をしそうだからか、それとも犯罪にまで踏み込んでいくのでしょうか。
刑事ドラマは自動車メーカーで犯人がわかる
犯人が車両提供とは違うメーカーの車に乗るといえば刑事ドラマ。『西部警察』は車両提供が日産で、犯人はトヨタなど他メーカーに乗っています。昭和の人気刑事ドラマでは他に『太陽にほえろ!』と『Gメン’75』は車両提供がトヨタ、『特捜最前線』など東映制作はだいたい日産。それぞれ犯人は車両提供とは違うメーカーの車に乗っていました。
東映―日産の流れは『相棒』にも続いていて、亀山薫(寺脇康文)はシルフィ、神戸尊(及川光博)はGTR、神戸卒業後は杉下右京(水谷豊)みずからが、91~92年に限定販売されたフィガロに乗っています(右京の英国趣味にあわせてミニに雰囲気が似ているからでしょうか)。
いわゆる刑事ドラマじゃないけど刑事が主人公の『古畑任三郎』。連ドラでのスポンサーはダイハツでしたが、メインゲストが多種多様な高級輸入車に乗っていたのが印象的。考えるとメインゲストとはいえ犯人だから刑事ドラマの法則は外していません。ちなみに部下の今泉慎太郎(西村雅彦)の愛車がダイハツ・アプローズです。
『古畑任三郎』犯人の車