ルーチンワークのなかでも課題を見つけるトレーニングをしよう

誰にも負けない仕事のスキルの身につけ方

誰にも負けない仕事のスキルの身につけ方

昨年、日立製作所、ソニー、松下といった日本を代表する大企業が、「年功序列型」の賃金制度を廃止し、話題になりました。これらの流れは、私たちの働きかたをどう変えるのか――。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の著者で人事コンサルタントの城繁幸氏に、今、雇用の現場で何が起きているか、今後どう備えるべきかを伺います。(第3回目のインタビュー『城繁幸さんの収入を増やすキャリアプランの描き方』から続きます)

――この先、生き残っていくためには、どんな能力を磨いておくべきだと思われますか?

城繁幸さん この先、この能力さえ身につければ大丈夫と断定できるようなスキルや資格は、誰にもわかりません。ただ、グローバル化が加速することは間違いないので、語学力はあるにこしたことはないのは事実。仕事で英語を使っていたという経験があるだけで、転職先の選択肢は何倍にも増えます。

ですが、それよりも大切なのは、“現在のシチュエーションのなかから自分で課題を見つけて取り組み、前進させる”というチカラだと思います。そういった経験をできるだけ重ねておくこと。「発想の転換が得意で、先入観にとらわれない新しいアイデアを思いつき、実行できる人」は、どこにいっても重宝されるし、どんな場面でも力を発揮できる。要は、主体的に行動できる人ということです。

そのためには、ルーチンワークではなく、自分の頭で考える力を養うこと。リストラをするときに筆頭に上がるのは、マニュアル通りのルーチンワークから抜け出せない人たちです。日本企業の管理部門は、90年代半ば以降、ずいぶんスリム化されましたが、やはりその筆頭になったのは、給与計算や社会保険料の計算といったルーチン業務でした。これらはシステムさえ組んでしまえば、別に人間に任せる必要はないわけですからね。

――“今の状況の中で何を生み出せるか”という視点を常日頃から意識しておくことが大切なのですね。例えばルーチンワークの中でもそういう力は養えるのでしょうか。

城繁幸さん もちろんです。一見ルーチンワークにしか見えない仕事の中にも、何かしら本質的な改善点はあるはず。小さな課題を見つける練習をし、癖をつけておきましょう。なるべく若いころからそういう習慣をつけておくといいと思います。今あるものに対して「こうしたらもっとよくなりますよ」という提言ができ、実行できる。それこそが、自分の付加価値に繋がります。

余力をどう割り振るかで、伸びるかとどまるかが決まる

――30代以降の人達が自分を成長させるためには、どんなことを意識すればいいでしょうか?

城繁幸さん 30代以降になれば、ある程度仕事に対して余裕が出てくると思います。その“余力”をどう使うかが大切。それが、その先伸びるか、現状でとどまるかの違いになります。例えば、僕の知っている人で、ある大手メーカーのグループ企業に中途入社した人がいます。彼は、独学で英語や中国語などの語学力を磨くなど、自己啓発に余念のない人。入社後、上司に「うちには語学力は必要ないよ」と言われながらも、自発的にスキルを磨き続けました。結局、数年後に海外拠点を設置するにあたり、彼は管理部門の統括ポジションに抜擢され、見事に成果を上げたそうです。これこそまさに、「余力の使い方」が、その人を引き上げた良い例だといえるでしょう。自分で目標を作ってマンネリ化を防ぎながら、力を蓄えていく。その姿勢を持っておくことです。

★城さんのインタビューは次回に続きます!

教えてくれたのは……
undefined

 

城繁幸(じょうしげゆき)さん

株式会社ジョーズ・ラボ代表取締役。 東京大学法学部卒、富士通人事部を経てフリーの人事コンサルタントとして活躍。ベストセラー『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代』など著書多数。



取材・文/西尾英子

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。