スキルさえ身につけておけば、年齢問わず転職がしやすい時代

どう自分のキャリアを考える?

どう自分のキャリアを考える?

昨年、日立製作所、ソニー、松下といった日本を代表する大企業が、「年功序列型」の賃金制度を廃止し、話題になりました。これらの流れは、私たちの働きかたをどう変えるのか――。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の著者で人事コンサルタントの城繁幸氏に、今、雇用の現場で何が起きているか、今後どう備えるべきかを伺います。(第2回目のインタビュー『会社任せはムリ!キャリアは自分でデザインする時代』から続きます)

――「年功序列の廃止」が進むことで、人材の流動化も進むでしょうか?

城繁幸さん そうだと思います。実際、すでに“どこの会社で働くか”ではなく、“どんなスキルが身につくか”“今いくら稼げるか”を考えながら転職をし、いろんな経験を積みながら自分の価値を高めている人たちが増えてきているように思いますね。40~50代の転職市場も非常に賑わっていると聞きます。スキルさえ身につけておけば、年齢問わず転職がしやすい時代です。

特に今は、労働力が不足していますから企業としても贅沢をいっていられる状況ではない。90年代半ばと比べると、20代は4割ほど減っています。特にサービス業などは、深刻な労働力不足に陥っていますね。そういった状況を踏まえ、人材不足に喘ぐサービス業界を中心に、人事の雇用体系の見直しが急速に進んでいるようです。企業の本音として新卒の人材が欲しいけれど、なかなか確保できないから、専業主婦だった人たちや早期退職した人、定年退職したけれど年金支給の年に届いていない高齢層など幅広い層にも門戸を開いて戦力化しようとしており、人材が非常に多様化しています。

――そんななかで自分のスキルを伸ばし、収入を増やしていくためには、どんな風にキャリアプランを描けばいいのでしょうか?

城さん これまでの年功序列のシステムの下では、会社にずっと残って働いてさえいれば、誰もが課長くらいまでは昇進できて、マイホームを買い、子供を大学にいかせるくらいの賃金を得ることができました。ですが今後、さらに年功序列の流れが進めば、自分の仕事内容、能力に応じた賃金を手にすることになります。これまでと同じ、あるいはそれ以上の暮らしを望むのであれば、組織に頼らず、転職をしながらスキルを磨き、収入を増やしていくしかありません。逆に言えば、これからの時代は、そういうキャリアプランで行かないと、労働市場で価値のあるプロフェッショナルなビジネスマンになることは難しいでしょう。

プロフェッショナルなビジネスマンとは、ある程度の専門性があり、自分でお金を集めることができて、それなりの額を動かせるレベルの人たちです。事業をデザイン設計するスキルがある。大企業のなかではそういうポジションにつくことはなかなか難しいですが、中小企業や新興企業、外資などでは、若手であってもそういった経験を積める会社はたくさんあります。自分のスキルを磨くことのできる場所を探し、レベルアップしていく。そういう視点でキャリアを考えてみるのもいいのではないでしょうか。

★次に、負けないスキルの身につけ方をおうかがいします!

教えてくれたのは……
城繁幸(じょうしげゆき)さん

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株式会社ジョーズ・ラボ代表取締役。 東京大学法学部卒、富士通人事部を経てフリーの人事コンサルタントとして活躍。ベストセラー『若者はなぜ3年で辞めるのか?』『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代』など著書多数。



取材・文/西尾英子
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。